WORK 88
大正元年に建てられたご実家を解体することとなり、新たな場所に平屋を建築。 当初は思い出深い実家を曳家で移築するというプランもありましたが、今後も末永く住まいを住み継いでいくために、既存家屋の梁や柱、建具を再活用した新築住宅の建築に踏み切られました。 お施主様はかつての日本家屋のように、外に開かれた家でありたいというご希望をお持ちでしたので、お客様をお迎えする大きな土間と土間に直結するキッチンを設け、地域と人に開かれた家を目指しました。
大きな古民家を解体し、新たに平屋を建築。計画地は角地にあるため、道路からの来客を迎え入れるような佇まいとした。
道路から玄関までの距離が短いので間に植栽や版築の壁を配置し、視覚的・体感的な距離を設けている。
目隠しにもなるアプローチの植栽は、既存の庭から移植したものと新たに植えたものが混在させた。
玄関扉はアンティークの蔵戸。新品の綺麗さよりも年月を重ねた趣のある蔵戸がコンセプトに合っていること、また、時間の流れと共に変化し、味わい深くなっていく姿を大切にしていただけるお施主様だと思い、ご提案。
玄関扉を開くと広々とした土間が広がります。トップライトを設けて採光しつつも、ご実家にあった、少し暗さのある玄関土間のイメージを踏襲。
ご実家から移築した梁と新規で制作した天井板、新旧が調和するリビング。相生杉の天井板は、梁に合わせて着色塗装した。
使えるものはできるだけ残したいというご要望を受け、テレビ台の天板には既存家屋の柱を再活用。形を変えて次世代へと受け継がれる建具となった。
視線や生活音を考慮し、隣地側の開口部は小さく収め収納を配置。自然と視線は南方の庭へと誘導されるため、程よく開放的な空間となった。
来客が多い際には、土間とダイレクトに繋がるキッチンカウンターでもお客様をおもてなしすることができる。
キッチンは既製品をベースに、杉無垢板のカウンターを取り付けた。
手入れのしやすさ、使いやすさと、土間空間に合うオリジナルデザインを両立。
当初、キッチンと土間の間には建具が入ったプランをご提案したが、もっとお客様に対してオープンな空間にしたい、立ち寄った人と気軽に会話ができるような空間にしたいというご要望を受け、建具のないプランに変更。
天井には杉板を採用。全て塗り壁にしてしまうより重心が下がり、落ち着いた雰囲気になった。
井熊 恵子
山下 修平
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