低市場価値材とローテク構法が拓く新たな可能性
製材所の片隅で廃棄を待つだけのデッドストック。節が多い、あるいは丸みやひび割れがあるという理由で、たとえそれが軽微な欠点であったとしても活用されることは殆どありません。
この廃棄される材を積層板として接合することで、木の持つ美しさと、構造体としての頑強さという新たな価値を見出したのが「木のカタマリに住む」家です。
積層板は通常最先端の工場での加工が必要ですが、ビスやダボ、釘で接合するというある種ローテクな技術を用いることで、中小企業でも参入可能な間口の広さも実現しました。
製材所の歩留まり率を改善することで国内林業の活性化を目指し、同時に中小の建築会社にも参入の機会を与える、建築業界に新たな市場を生み出す意欲的な構造です。