船大工の領域に「建築大工」が参戦
クレオパトラ号は二本のマストを持つケッチ型と呼ばれ、海外ではクラシックヨットとしても人気が高い船ですが、日本では珍しい帆船です。 現存する木造帆船や木部の修繕の担い手が年々減少する状況の中、木部と金物のレストアを引き受けたのは、「建築工程の内製化」を掲げる平成建設の大工たちでした。 現代大工たちがプロのマリン業者と連携してレストアを実施し、エレガンスをテーマとしたクルーザーとして現代へと蘇らせました。
クレオパトラ号は二本のマストを持つケッチ型と呼ばれ、海外ではクラシックヨットとしても人気が高い船ですが、日本では珍しい帆船です。 現存する木造帆船や木部の修繕の担い手が年々減少する状況の中、木部と金物のレストアを引き受けたのは、「建築工程の内製化」を掲げる平成建設の大工たちでした。 現代大工たちがプロのマリン業者と連携してレストアを実施し、エレガンスをテーマとしたクルーザーとして現代へと蘇らせました。
取付金具からの浸水が原因で内部まで腐食し、マストは激しく劣化していました。 しかも造船当時より2m短くなっていたため、今回のレストアにてオリジナルサイズ(全長16m)に復元しています。 スライダーでセールをあげる方式はそのままに、木部に金物を貫通させずに外側から締め付けて固定する「抱かせ型」の金物に変更。 マストの機能保持と腐食防止の両立を実現しています。
マストがデッキを貫通する部分や客室の床、船体に接続して支える土台にまで及んでいた腐食。 船外・船内を細かく調査し、オリジナルの役割や雰囲気を損なうことなく船体の品質を向上するために、施工方法や材料選定にも注力しました。 腐食の激しい部分には“木材のアセチル化処理”という技術により木材の欠点を改善した「アコヤ材」を用いています。