7m四方の「余白」を据えたおおらかな空間構成
敷地中央に7m四方の「余白」を据え、それを取り囲むようにL字型の下屋がとりついた平面計画としています。L字型部分に水廻りなどの機能を集約し、構造的な強度を担保することで、間仕切りのない7m四方のがらんどう空間を確保しました。
この「余白」は、様々な行為の受け入れを可能にし、都会の喧騒から離れ、静寂な時間を過ごすためのおおらかな空間を生み出しています。
敷地中央に7m四方の「余白」を据え、それを取り囲むようにL字型の下屋がとりついた平面計画としています。L字型部分に水廻りなどの機能を集約し、構造的な強度を担保することで、間仕切りのない7m四方のがらんどう空間を確保しました。
この「余白」は、様々な行為の受け入れを可能にし、都会の喧騒から離れ、静寂な時間を過ごすためのおおらかな空間を生み出しています。
クライアントが休息の地として求めたのは「土地」ではなく、その場所から臨める「風景」と言っても過言ではありません。計画地は、近隣に植えられたクスノキ、マツ、サクラなどの枝葉が敷地境界を気にせず大きくまたぎ、ひとつの「風景」をつくり出しているのが印象的な場所です。
本計画では、そうした風景を大きく取り込み「借景」を獲得しながらも、建物そのものが新たな風景の一部となるように周辺との調和や街並みの景観を損ねないような佇まいを意図して計画しています。「借景」の方向自体は背山臨水の立地をいかした熱海湾に向けた構成をとりながらも、雁行配置にすることで生まれる風景との「距離感」によりそれぞれ性質の異なる風景を取り込みました。
「別荘」が日常生活を要する住宅と最も異なる点は、年間を通して人が不在の時間が長いということ。建物を長持ちさせるためにも、別荘建築においては「人がいないとき」をいかに設計するかが必要不可欠です。
かつて日本の木造建築でよく見られた無双窓などをヒントにしながら、極力機械に頼らない換気通風計画とすることで建物が呼吸できる仕組みを検討しました。また、冬季の暖房計画においては床下に壁掛けエアコンを配置して床下全体を暖房する「床下暖房」を採用することで、イニシャル・ランニングコスト共に経済的な計画としています。