WORK 62
職人の心意気に共感される旦那様と、インテリアにこだわりのある奥様。お二人のご意見を「大工仕事による木のあらわし」によって融合させたお住まいです。 隣接する公園や高低差のある眺望など、恵まれた周辺環境を借景すると共に、内部は大工の手仕事によるハンドメイド感を強く意識しています。 外土間・内土間によって内外を緩やかに繋ぎ、屋内は大きく開かれた吹抜けによって1階と2階を開放的に繋ぐことで、敷地面積以上の広さを感じるレイアウトを実現。 大きな開口から光と風をふんだんに取り入れた、自然と調和するボタニカルな住まいとなりました。
経年劣化し辛いインダストリアルなガルバリウムと、月日と共に変化する大工仕事の木材、全く異なる組み合わせが印象的な外観。木部の鮮やかなマホガニー色は年月と共に退色し、ガルバリウムの壁に調和していく。
意匠性と汚れ防止の観点から、外部から見える方向の壁には縦方向の継ぎ目を無くした。
駐車場のスリットは割れ防止と意匠、そして駐車する際のガイドの役割を果たす。計画地が少し傾斜しているため、このスリットに合わせて駐車することで左右の傾きが均等になるよう高さを調整。
二層分の高さがあるダイナミックな外土間。軒天・扉はガルバリウムとのバランスを考慮して木材で製作。
通常は隠される構造体だが、こちらのお住まいでは木造の家の力強さを表すため敢えて梁を露出させた。深い軒は夏の日差しを遮り、冬の日差しは取り入れる。
自転車がご趣味の旦那様のための広い内土間。様々な用途に使える便利な空間。
大きなサッシを開放すると内土間・外土間が繋がり、内外を一体化して使うことができる。
大きな吹き抜け空間。木の質感を生かした構造材の組み合わせが、自然と調和したボタニカルな空気を生む。
光と視線を通すスケルトン階段と、踊り場に設けたヘリンボーン貼りのアクセントウォール。
この吹き抜けは、面積以上の抜け感を演出すると同時に、 外部からの視線を遮る働きもある。トップライトとシーリングファンが空気の撹拌することで室温を均一に保ち、空調の稼働を抑える。
トイレ以外には壁らしい壁を設けず、空間の広がりを最大限に活かした2階LDK。リビングは梁をあらわし、高さを感じる勾配天井を採用。
キッチンの腰壁、パントリーの紺色は、インテリアのメインカラーとなる紺色を使用。建築物(ハード)と内装(ソフト)とつなぐ役割を果たす。
シルバーのキッチンに良く映えるペンダントタイプのエジソン電球。
大工が造作したカウンター付きダイニングテーブルは敢えて無骨に設計し、LDKの主役としての存在感を主張させた。
吹き抜けに面してスタディスペースを設けた。ダイニングテーブルと高さを合わせ、椅子を回転させるだけでダイニングテーブルからスタディスペースに移れるよう工夫。
LDKの一角に設けた小上がりの和室スペース。
リビングの片隅には二方向に設けられた大きな窓。設計士が現地調査に訪れた際、二方向の絶景を発見し「この敷地の恩恵を最大限に活かせるのは2階リビングだ」と確信した。
狭い空間を作りたくないというご要望により、洗面脱衣室とトイレは一つの空間に。腰壁は、身長の異なるご夫婦ともにギリギリ気にならず、空間の広がりを感じられる高さに調整。
青のアクセントウォールに金属質の質感の手洗いでクールな印象に。
遠藤 創一朗
大山 慶人 立木 潤
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