WORK 42
伝統的な手法である渡り腮(あご)で組んだ軸組に、板倉の壁を組み合わせた構造を採用しています。 渡り腮は梁を組む仕口の一つで、支える表面積が大きいことが特徴。板倉構法は柱に溝を設けて30mmの横板を落とし込み壁を構成する構法です。 この二つを組み合わせることで、金物に頼らない粘り強い建物となりました。 一つ一つ大工が手刻みで加工した材には、プレカットの材では味わえない木の本質をとことん楽しめる贅沢さがあふれています。 既製品を極力使わず大工をはじめとする職人たちが手仕事で作り上げた、この世に一つだけのお住まいです。
下屋(げや)と縁側を設け、日本の気候にあった昔ながらの住まいとしている。
焼杉と大きな切妻屋根によるシンプルな構成により、堂々とした風格が漂う外観。
道路からの視線を遮る木製の目隠し塀と、その塀を回り込むように玄関に続くアプローチ。窓の格子や庇の造作一つ一つに大工の繊細な技が発揮されている。屋根の鬼瓦はオリジナルデザインで製作し、軒瓦にはお施主様の家紋をあしらった。
玄関は勾配天井を採用しているため、天井高の高い開放的な空間となっている。
板倉構法の壁は杉、床は木曽ヒノキを採用。 板倉構法の構造体を化粧面としているため、加工・施工する大工の感性が仕上がりを左右する。
リビングは上部を吹き抜けとし、南側に向かって大きく開口部を設けた。
くさびがアクセントのリビング階段。
吹き抜け上部からの採光は、北側ダイニングまで明るく照らす。 玄関・リビングの上部を大きな吹き抜けとすることで1階と2階が繋がり、家のどこにいてもご家族がお互いの存在を程よく感じることができる。
リビングの一角には薪ストーブを設けた。
北側に、晴れた日には富士山を望める大きな開口を設けている。
開放的なリビングとは対照的に、ダイニングには二階の床があらわしとなった天井を設けることで、落ち着ける空間としている。
対面式キッチンの背面収納・パントリーは大工が造作。
キッチンなど水廻りの床には、耐水性のある漆を塗っている。
和室の壁も板倉構法で。一般的な塗り壁の和室とはまた違った雰囲気のある空間が生まれる。
木の質感を活かした洗面。
トイレのデザインも住まい全体のテイストに合わせている。
大谷 誠
川原﨑 和俊
平成建設の家づくりをご紹介した、施工事例集を無料でプレゼント中!
新築住宅、リノベーション、マンション建築など、様々な資料をまとめてご請求いただけます。