WORK 145
屋上まで緑化した丘のような住宅。ここに住むお施主様は、東京から移住して温暖な静岡での子育て生活を楽しみにされていました。「外部のように開放的な内部空間」や、「内部のように落ち着く外部空間」を意図して計画された建築は、敷地の高低差も利用して地面に潜る丘のような形状となり、施工計画が非常に難しい案件でした。そこで着工前の打合せから、躯体にかかわる職人や大工が参加し、綿密に準備を進めることで、お施主様に喜んでいただくことができました。
設計 OKDO
写真 阿野 太一
大屋根の下に広がるリビングは、ガラスの引き戸を開放することで、内外の空間を一体的に使って過ごすことができる。
DIYなど作業場にも活用できる半屋外の土間スペースから、中庭の先のリビングまで見通せる。
石工が手作業で自然石を割り、コンクリートの躯体へランダムに貼られた力強い壁が続く。
中庭を囲う回廊と大樹メラレウカ。ハーブの一種でもあるオーストラリア産の力強い樹木が、やさしい木陰をつくる。
1階回廊から2階へ続く階段には、無垢の木板が贅沢に仕上げとして使用されており、繊細なシルエットの手摺が繋いでいる。
アーティスト西村祐美氏による作品が壁に設えられた家族団らんの場。
植栽を囲うように2階へと続く階段。トップライトからこぼれる光に照らされる木彫の白鳥は、木工作家の山根大典氏の作品。
敷地の高低差を活用し、ダイニング側から3段上がったところに設けたリビングスペース。ソファと中庭側の土間に設置された照明器具は、いずれも設計士の木藤美和子氏がデザイン。
熟練の大工だから成せる曲面天井が室内外をまたぎ、外と中の境界を曖昧にしている。チークのテーブルも平成建設のオーダーメイド。
コンパクトな書斎に大開口の窓。アウトドアリビングに面して設けられた池が清らかな風を生む。
画家・古田和子氏による壁画を池越しに鑑賞できる。
コンパクトな面積にも関わらず、豊かな外部空間を取り込むことで気持ちの良い書斎空間となっている。
石張りの在来浴室から坪庭を眺める。木ルーバーの天井は一部が脱着式となっており、換気設備のメンテンナンス性にも配慮している。
カウンターと壁面がテラゾで一体的に仕上げられた洗面空間。
来客用のアプローチは、硬いコンクリートに溝を設けた上で表面を職人がハツり、やわらかい表情となった擁壁が導く。壁面に設えられたコンクリートアートは、平成建設の小林浩司による作品。
3次元的なコンクリート躯体は、平成建設の型枠大工や鉄筋工たちが知恵を絞って完成させた。照明は Ripple design により計画された。
OKDO
木工事:久保田 雅典、山崎 卓也 RC:宮﨑 領真、栗田 信行
平成建設の家づくりをご紹介した、施工事例集を無料でプレゼント中!
新築住宅、リノベーション、マンション建築など、様々な資料をまとめてご請求いただけます。