WORK 126
都内から茅ヶ崎へ移住されて18年。お施主様は老朽化が進んだお住まいを解体し、「好きなものに囲まれて暮らす家」を新たに建築されました。 旧宅にてカフェを営まれていた奥様は、「地元の人もいるけれど移住してくる人もいる」茅ヶ崎ならではの、住民同士の繋がりに魅力を感じていたそうです。 また、旦那様と息子さんは湘南の海を愛するサーファー。そんなご家族のライフスタイルに合わせ、ギャラリースペースやサーフルームを設けた1階は外部と緩やかに繋がるセミパブリックな空間に、2階はご家族が気兼ねなく寛げるプライベートな空間にと、それぞれ異なる役割を持たせるよう設計しています。
マットグレーのガルバリウム鋼板を用いたシンプルな外観。 内部に開放的な中庭やバルコニーを設けているが、外部からの視線が届かないように設計されている。
金属サイディングのグレーにピーラー材の木質感がアクセントとなる。玄関の横にはギャラリースペースへ直通する扉を設けた。
モルタル土間のギャラリースペース。 住まいを建て替える前に経営していたカフェの面影を残し、ご友人の作品を展示したり、集まって歓談するスペースが欲しいというご要望を受けて設えた特別な一室。
玄関には広い土間を設け、一部を建具で仕切ってサーフルームとした。 建具は、長手は引き戸、短手は開き戸という変則的なデザインを採用しており、どちらも開閉することが可能。 ガラス建具で仕切られた個室として、或いは玄関から中庭まで繋がる大空間として、様々な用途に使うことができる。
外部とサーフルームを繋ぐ中庭は、主に海から帰ってきた時に使う動線。 屋外に設置したシャワーはウエットスーツの海水を洗い流すことができる他、サーフボードの手入れにも使える。
玄関土間とフラットに繋がるサーフルームには、サーフボードを立てかけておくためのラックをあらかじめ設置した。趣味に合わせた空間を設けられるのは、自由設計ならではの強み。
ギャラリースペース同様、サーフルームもご友人が気軽に集まれるセミパブリックな空間として利用できる。 一方、靴を脱いだ先はご家族だけのプライベートスペース。
2階に設けた大空間LDK。素材そのままの設えにしたいというご要望があり、床や窓枠には無垢の木を使用し、壁はクロスではなく塗装仕上げとしている。 床のナラ材、家具のシナ材は住まい全体で共通しており、統一感を生んでいる。
印象的な勾配天井にはヘム材を貼った。 インテリアの細かい部分にもこだわり、勾配天井に照明を取り付ける金具はオリジナルデザインのものを発注している。
天板にモールテックスを用いたオリジナルデザインのキッチン。お施主様のイメージを家具メーカーと共有しつつ、ひとつずつ細部を決めていった。 壁の白、ナラ材やシナ材の質感、アクセントのグレーがお住まいのテーマカラー。キッチンのモールテックスや化粧梁、階段など、グレーのポイント使いがインテリアを引き締める。
大空間に敢えて設置した背の高い造作テレビボードは、家具を置いた時に空間が完成するように、過剰な装飾は避けシンプルな色使いで統一している。
テレビボードの裏側は本棚になっている。どうしても雑多な印象になりがちな本棚だが、テレビボードの裏にあれば目につかない。 シンプルに、すっきりと暮らしたいというお施主様のライフスタイルに合わせたデザイン。
当初は、バルコニーに面して大開口の掃き出し窓を設けるプランだった。 打ち合わせを重ねるうちに、お施主様より「空間を切り取ったベンチのようなスペースを作ってみたい」とのご提案があり、このような形になった。 枠には天井と同じヘム材を使用し、大人が無理なく座れ、横になることもできる奥行きが特徴。
庭代わりに使える2階のバルコニー。隣家に近接しているため、壁の高さを2.5mに設定し、完全に囲われるようにデザインした。外部からの視線を気にせずゆったりと寛げる憩いのスペース。
洋室には小屋裏を活用したロフトを設けた。開放的なLDKに対して、寝室はより機能的な構造。
ブルーのタイルが湘南テイストな浴室。
シンプルな造作の洗面台。こちらもシナ材にグレーの差し色を効かせたデザインを採用した。
山田 徹
渡邊 佑一
平成建設の家づくりをご紹介した、施工事例集を無料でプレゼント中!
新築住宅、リノベーション、マンション建築など、様々な資料をまとめてご請求いただけます。