WORK 123
都市の中心部に建つ、堅牢なRC造のお住まいです。 セキュリティを重視し、屋外に向かっては完全に「閉じた」デザインを採用。住まいの中心に外部と繋がる庭を設け、内側に向かって「開く」間取りとしています。 お施主様は、職人の練度がそのまま出来栄えに直結する「コンクリート打ち放し」をご希望されていらっしゃったため、可能な限りコンクリート面を見せる工夫を施しました。 コンクリートと木、モダンと和風、屋外と屋内、明と暗など、様々な対比を織り込み、移動するたびに異なる面が現れる、変化に富んだお住まいとなりました。
磁器タイルやコンクリート、砂利といった「石・硬質・無機物」の素材感と、軒天のヒノキや植栽といった「木・柔和・有機物」の素材感を組み合わせ、対比させたアプローチデザイン。 門扉から直接玄関が見えないように、アプローチの距離を長く取り、玄関を建物内部に引き込んでいる。
特許を取得した「不燃材への漆塗布技術」を用いた、世界に一つだけのディスプレイがお客様を迎える。 「面白いもの、良いものを提案して欲しい」というご希望に、「平成建設にしかできないもの」として設計士からご提案させていただいた逸品。 ここでも、玄関扉に貼った銀箔と、黄金に輝く漆塗りの漆喰を対比させている。
不燃物であるケイカル板に漆を塗布し、屏風のように組み合わせた。間接照明が漆塗りの壁面を美しく照らし出す。 お客様は玄関に入った後、一度中庭に出てから再度応接間に入る。靴を履いたまま、屋外と屋内が切り替わる面白い動線。
土足のまま行き来できる、エントランスと応接室を繋ぐ吹き抜け空間。 通路の上階はルーフバルコニーになっているため雨天時でも濡れることがない一方、坪庭の上部は屋外に繋がっているため、自然の光や風を感じることができる。 空中回廊のような2階の廊下も見どころのひとつ。
鉄平石と洗い出し仕上げを組み合わせた応接室。 左右に整然と配置されているのは「Cassina」の「NORMANDIE II」ラウンジチェア。 正面のソファは「Poltrona Frau」の「Archibald」。 中央のテーブルは、こちらも Cassina の「SOUS BOIS」サイドテーブル。 インテリアがお好きなお施主様が選ばれた。
1階のトイレはお客様が使うことを想定しているため、敢えて土間空間としている。コンクリート打ち放しの壁面と間接照明が、洗練された雰囲気を生む。
坪庭を中心に、来客用の動線と家族用の動線を分けている。
中庭に面しているとはいえ、光が届きにくい1階はどうしても暗くなる。 上階のない廊下は、天井をガラス張りにして直接陽光を取り入れている。 ガラスのアーチを支えるための桟を、連続するルーバーとしてデザインに落とし込むことで、明暗が印象的な回廊が生まれた。
中庭を横断する2階廊下。両面に大判ガラスを用いることで、シークエンシャルな空中回廊となった。 屋内と屋外がパズルのように組み合わされたお住まいは、移動するごとに全く異なる景色が現れ、飽きることがない。
階段室の壁・天井には、アクセントとして木ルーバーを採用。壁面に設けたアッパーライトが、コンクリートと木の素材感の違い、滑らかな壁面と凹凸のある格子の対比を照らし出している。 断熱材が必要な箇所は塗り壁を採用しているが、それ以外の場所は可能な限り、お施主様がお好きなコンクリート打ち放しの壁面を露出させた。
階段手摺りには、2017年にグッドデザイン賞を受賞した「七曲(ななわだ)」をご提案し、採用された。 木目を途切れさせることなく、様々な形に曲げることができるのが特徴。
3階建ての住宅なので、利便性を考慮しホームエレベーターを設置した。 3階の廊下はヘリンボーン貼りの床面をレイヤー状に重ね、少しずつ階差を下げている。 廊下の先にあるリビングの天井を高くするための処理だが、段差に間接照明を仕込むことで印象的な空間となった。
1階、2階の空間を調整し、2.8mの天井高さを確保したリビング。設計士によるオリジナルデザインの引き戸は、できるだけ華奢に見せるために構造に鉄を用いた。 一見するとランダムに見える格子模様だが、よくよく見ると中心の一本は上下が一通しており、ここで構造を持たせている。
引き戸の向こうには、リビングと連続する趣味室を設けた。壁面に展開するのは大工が手がけるオリジナルデザインの造作家具。寸法がぴったり収まるように施工されている。
kitchenhouse社のアイランドキッチンをベースに、モノトーンと優しい色合いで構成されたダイニングキッチン。 天井はオーク材のクリア塗装、床は磁器タイルを採用した。 天井の板は山形になるよう交互に傾けて施工されており、窓からの光を受けて美しい陰影が生まれる。 極小のダウンライトはBLUEWAVEの「AMATERAS」。施工に苦労したが、上質な空間を際立たせるポイントとなった。キッチンに合わせたのは、お施主様が選ばれた Cassini の「LAST MINUTE」カウンタースツール。
漆塗りの天板にIHを組み込んだオリジナルデザインのダイニングテーブルも、世界に一つだけの逸品。 漆塗りの家具は使い込むにつれて徐々に色合いが変化するため、この段階ではまだ未完成だと言う。 ダイニングチェアに選ばれたのは Cassina の「412 CAB」アームレスチェア。
漆塗りのカウンターが印象的な洗面台。プライバシーに配慮し、壁には大きな開口部を設けず上部トップライトから採光している。 床・壁に採用した磁器タイル、白い塗り壁、漆塗りのカウンター、木パネルの扉、摺りガラスなどなど、様々な素材が調和する空間。
jaxson のバスタブを採用した、フルオーダーメイドの浴室はホテルライクな空間。
3階トイレは、斜線規制の影響で勾配屋根となった空間を活かした。北向きのトップライトから、安定した明るさを享受している。
外部と直接繋がる、開放的なルーフバルコニー。袖壁は高すぎると日光を遮ってしまい、低すぎると視線が気になる。数パターンの模型を作り、お施主様と協議して高さを決めた。 バルコニーに配置したのは Cassina の「288」スタッキングチェア。 建物の外縁をなぞるようにトップライトを設置し、階下に光を導いている。
RC造ならではのアール面を活かした、寝室の一角に設けた書斎。上階のルーフバルコニーに設けたトップライトから、穏やかな光が降りそそぐ。 造り付けのカウンターは木目がアールに沿うよう施工。難易度の高い工事だったが、上質な空間に相応しい出来栄えとなった。
山田 徹 遠藤 創一朗
石田 剛一、小山 卓也、有賀 建樹、菅原 壮平 RC:髙橋 登、駒形 直人
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