WORK 119
目の前には交通量の多い道路、両隣には隣家が近接しており、外向きに窓を設けるメリットに乏しい立地。「いっそ、外の風景よりも自宅を眺めたい」というご希望を受け、お施主様と設計士が協働して、窓の外の景色を作り上げたお住まいです。敷地の中央に中庭を設け、対面の建物を互いに鑑賞できるように配置。 中庭にはウッドデッキを設け、リビング・ダイニングを拡張する中間領域として活用しました。中庭と連続するように、屋根付きの土間、門扉に近い収納空間、お湯が出る水栓などなど、暮らしを豊かにする便利な設備を設置し、デザイン性だけでなく利便性も追求しています。
三角屋根が印象的な外観。外壁の色は白ではなく、風景に馴染む薄グレーとした。主要な窓やバルコニーは内側に設けているため、外から眺めると非常にシンプルな印象。
門扉を開くと広々とした土間が現れる。お施主様の「天井のある屋外空間が欲しい」というご要望を実現したもの。 傘や自転車など濡らしたくないものを収納することができ、雨天時に重宝する。
門扉は木を互い違いに張った「大和張り」を採用し、外に向かって完全には閉じず、緩やかに繋がる住まいとした。 外部からの視線は遮るが、風や木漏れ日、音などは内部にも届く。
計画の中心となったのは、この中庭。中庭を挟んで棟が向かい合い、「自宅の窓から家を眺める」というお施主様の希望が叶った。 内側から眺める住まいは変化に富んでおり、外側から眺めた時とは印象が全く異なる。
北棟2階から中庭を見下ろす。中庭を板張りにすることで、リビング・ダイニングとの連続性が強調され、屋内外の境界が曖昧になる。 ウッドデッキの中心部は取り外せるようにし、中庭でバーベキューを楽しめるよう計画した。縁はベンチ代わりになる。
リビングから眺める「自宅」の姿。土間に設けた水栓は、ガーデニングやバーベキューなど、様々な用途に使える。 お湯を引いているため洗浄力が高く、汚れが落ちにくいものの洗浄に重宝しているそう。
玄関の対面には大きな収納空間を設けた。 スキーやサーフボード、自転車、バーベキュー用具などを収納しているため、門扉や庭に近い収納は使い勝手が良く、お施主様のお気に入り。土間に設けた水栓は、アウトドア用品の洗浄にも役に立つ。
玄関に設けた窓は明り取りも兼ねるが、一番の用途は「家」を眺めるためのもの。帰宅時や出勤時にふと窓を覗けば、中庭とその先にあるリビングを見ることができる。 フックにはバッグやランドセル、鍵などを掛ける予定。
存在感を放つ真鍮製のスイッチはオーダー品。 本物の素材にこだわり、真鍮「調」ではなく真鍮を、木「調」ではなく木材を、ステンレス「調」ではなくステンレスを採用している。
在来工法は、4本の柱で構成されるモジュールを組み合わせてレイアウトする。 こちらの住まいは中庭を囲むようにモジュールをL字型に配置し、一見すると柱が見えない、大空間LDKを構築した。
鉄骨に木を重ね、デザイン性を高めた階段手すり。触れた際に、金属の冷たさではなく木の温もりを感じることができる。 床や天井に木材を使用し、内部の壁も外壁と同じく薄グレイ。内装は「木・真鍮・黒」をキーワードにして選ばれた。
使い勝手を重視したキッチン。キッチンの奥にパントリーを設け、明り取りの窓を設置した。
連続性を持たせるため、LDKの床とウッドデッキの床は同じ方向に板を張っている。お子様たちは、LDKと中庭をぐるぐると駆け回っているそう。
リビングのある南棟は平屋とし、勾配天井を採用。木の質感を活かした勾配天井と化粧垂木は、当初からのご要望だった。 天井に照明を配置しない代わりに、壁沿いにスポットライトを設置。壁際にはベンチ兼収納家具を配置した。
住まいのテイストに合わせ、細部までデザインされたトイレ。
小ぶりな洗面スペースには、お施主様が住まいのテイストに合わせて選ばれた、鏡、ボウル、水栓、紙巻など使用。カウンターにはナラ材を使用している。自由設計ならではの空間。
平成建設
寺本 達哉
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