タラセア(TARACEA)は、中世ヨーロッパで発達し、現在もスペインにその伝統が受け継がれる装飾藝術です。約1㎝の厚みにカットした天然木の色を生かして、幾何学模様や風景画、静物画を創り出します。ヨーロッパのウッドアート、アラブの伝統木藝術、アフリカの美術感覚が独自に混ざり合って発達しました。現在もスペインのアルハンブラ宮殿やエル・エスコリアル王宮、各地の教会など、美しい木工象嵌を駆使した建物が存在しています。今回の企画展では、スペインで本格的にタラセア伝統藝術技法を学んだ「星野 尚」の作品をご紹介致します。チーク、桜、ケヤキ、ブナ、縞黒檀などの約80種の木を用い、木の性格と調和を見極め、自然の質感や色彩を駆使した木工象嵌による絵画です。木片となった木々と静かに語らい、組み合わせながら、移ろう時間や人々の生活を巧みに表現しています。制作活動35年、世界でも数少ないタラセア技術保持者である星野 尚の世界をお楽しみ下さい。
「梟」 H540mm×W890mm/2013年
1955年 | 兵庫県に生まれる |
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1981年 | スペイン コルドバ国立美術専門学校 卒業 |
1982年 | 帰国後 大阪 不二画廊でタラセアの初個展 開催 |
1991年 | スペイン バルセロナ ホテル・マジェスティックに招待出展 |
1992年 | 大阪国際交流センターでスペイン個展記念展 開催 |
1998年 | 和光銀座店で個展 開催 |
2009年 | バルセロナ タラセア三十周年記念展 開催 |
2013年 | スペイン コルドバ県 ルセナ市 主催 Palacio de los Condes de Santa Ana サンタ アナ 宮殿にて個展 開催 |
2015年 | 大阪 阪急百貨店梅田本店美術画廊にて『タラセア 三十五年の歩み』展 開催 |
「ローテンブルク」
H760mm×W890mm/2010年
「サン・マテーオ教会」
H550mm×W470mm/2012年
「囲炉裏」
H465mm×W415mm/2008年
「風車」
H300mm×W525mm/2010年