ウッドデッキのある家の魅力|楽しむためにすべきことと実際の施工事例 | 平成ライフスタイル

ウッドデッキのある家の魅力|楽しむためにすべきことと実際の施工事例

注文住宅

ウッドデッキは屋内外を繋ぐ中間領域の一つです。濡れ縁が部屋の一部として認識されるのに対し、ウッドデッキは庭の一部として扱われることが一般的。自然を満喫するアウトドアリビングの人気上昇に伴い、ウッドデッキの設置率も上昇しています。

今回は使い勝手が良く居心地の良いウッドデッキを設けるコツを、実際の施工事例を交えてご紹介します。写真も多数掲載しておりますので、ぜひ憧れのマイホームの参考にしてください。

編集 平成建設

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床面積に含まれないウッドデッキ

基本的に、①1階に設置されており、②屋根を設けていない ウッドデッキやテラスは、延床面積に含まれません。屋根があっても幾つかの条件を満たせば床面積から除外することができますが、市町村ごとに判断が異なりますので、必ず事前確認が必要になります。

ウッドデッキに雨避け・日差し避けを設けたい場合、オーニングやシェード、パラソル、パーゴラ等を組み合わせましょう。これらは折り畳んだり取り外したりできるため、一般的には建築基準法の「屋根」には該当しないと判断されます。

近年は猛暑日が増えていることもあり、夏日を快適に過ごすために、オーニングやシェードの設置は必須となりつつあります。

日差しを避けるオーニング

オーニング

オーニング(Awning)は窓や出入口の上部に設ける、日よけ・雨よけのこと。カフェやレストランなど、おしゃれな商業施設に取りつけられることが多い設備です。

折り畳んで収納できるだけでなく、幕の出幅を調整できるのがオーニングの優れている点。日差しの強い夏季は幕の出幅を広く、日差しの弱い冬季は出幅を狭くすることで、住まいに差し込む日射量をコントロールすることができ、空調費の削減に繋がります。一方、幕で強い風を受け止めると破損する可能性があるので、台風や強風の日にはオーニングをしっかり閉じておきましょう。

シェード

オーニングより簡易的な日よけは「シェード」と呼ばれます。シェードは専用の金具を用いて幕を張るタイプが多く、竣工後でも気軽に取り付けることができます。

オーニングやシェードの生地は様々な種類があります。日よけならばUV遮断率の高い生地、目隠しならばデザインや質感の良い生地、雨避けならば撥水機能のある生地など、用途に合わせて適したものを選びましょう。

パーゴラで緑のカーテンを作る

パーゴラ

パーゴラはイタリア語で「ぶどう棚」という意味で、格子状の屋根とそれを支える柱で構成されます。元々はつる科の植物を這わせてグリーンカーテンを作るスペースでしたが、近年は植物ではなくタープやシェードを張って日よけにする事例も増えています。

雨を凌げないパーゴラは、基本的には建築物として扱われません。タープやシェードは取り外し可能なので問題ありませんが、ポリカーボネートやガルバリウム鋼板で固定式の屋根を設けると建築物扱いになる可能性がありますので注意しましょう。

魅力的なウッドデッキの施工事例

ベンチを設けたウッドデッキ、眺望を楽しむウッドデッキ、建物に囲まれたウッドデッキ、リフォームで新設したウッドデッキなど、平成建設で施工したウッドデッキの施工事例を写真を交えてご紹介します。

施工事例1 塀に囲まれたウッドデッキのある家

大きな勾配屋根が特徴的な和モダンな外観。玄関とウッドデッキが直通するレイアウトです。

地植えの植栽の周囲をくり抜いたウッドデッキ。花壇や鉢植えにするよりも広く使うことでき、植栽との距離感が縮まるため庭との一体感が増します。

リビングから土間、ウッドデッキと段階的に繋がります。土間の上部は吹き抜けになっているため、非常に開放的な空間となりました。

施工事例2 ウッドデッキからの眺望を楽しむ高台の家

都市部の住宅街に建築されたお住まい。下から見上げる視線を遮るために目隠しの木塀を設けましたが、土地に高低差があるため、屋内からは圧迫感を覚えない高さに抑えられています。

竣工後数年がたち、程よい色合いに落ち着いたウッドデッキ。

大きな吹き抜けを持つLDKとウッドデッキが一体化。非常に開放的で広々と使える大空間が生まれました。ご覧の通り、木塀はウッドデッキからの眺望を遮りません。

施工事例3 バルコニーにウッドデッキを敷いた住まい

2階バルコニーを全面ウッドデッキにしたお住まいです。屋外で庭と繋がっており、まさにアウトドアリビングに最適の距離感。

ウッドデッキとフラットに繋がる大空間LDK。天井ギリギリまで広げた大開口は引き込み戸になっており、窓を戸袋に収納すれば視界を遮るものはありません。

施工事例4 ウッドデッキのインナーバルコニー

通りに面して大きな引き戸のあるお住まい。引き戸の先は屋内ではなく、中庭に繋がる土間が現れます。

屋根が掛かっている土間空間は、雨天時に非常に重宝します。また、自転車など濡らしたくないものを置くのにも便利。向かって左に見える扉は収納になっていますが、屋根があることで使い勝手が非常に良いとのこと。

ウッドデッキから玄関を見たところ。向かって右に見える洗面台にはお湯を引いています。お湯は水よりも汚れを落としやすく、特にバーベキューの際に食器を洗うのに便利。中庭にウッドデッキを設けたことで、コの字型の住まいと庭がフラットに繋がりました。

施工事例5 パーゴラを設けた湘南風の住まい

基礎を上げ、玄関とウッドデッキを繋げたお住まい。パーゴラを挟んで階段を二方向に配置したことで使い勝手が良くなり、湘南テイストが漂うおしゃれなお住まいになりました。

パーゴラはイタリア語で「ぶどう棚」の意味。日本の「藤棚」同様、ツル科の植物を這わせることで日差しを遮るのですが、近年は使い勝手を重視し、ターフや透明ポリカを屋根に用いることも多くなっています。固定の屋根を設けつつウッドデッキを建築面積から除外するためには、1階に設置されていること、3方向が開放的であること、建物からの長さを2m以内に納めることが条件になります。

リビングとフラットに繋がるウッドデッキは、程よく屋内外が繋がる心地よい空間。パーゴラの天井から吊るしたハンモックでゆったりと寛ぐことができます。

施工事例6 リビングと連続するウッドデッキのある家

交通量の多い交差点に接した、モルタル仕上げの塗り壁がおしゃれなお住まいです。1階の庭は地域の方々と交流する社交場として活用しており、2階のバルコニーをご家族のプライベートな屋外空間としています。

2階リビングと繋がるバルコニーにはウッドデッキを敷き、屋内外が一つの空間として使えるように計画。

通りに面した2階のバルコニー。ウッドデッキの上部にはタープを張り、ご家族でバーベキューを楽しまれているそうです。

施工事例7 プライバシーに配慮したウッドデッキのバルコニー

都市部に建つお住まいの場合、どのような方法で外部からの視線を遮り、開放感と安心感を両立させるかが問題となります。こちらのお住まいも、道路側には採光用の窓のみを設けています。

2階のバルコニーは高い壁を設けて視線を遮っていますが、屋根を設けないことで開放感も両立。青空の元、人目を気にせず日光浴したりヨガを楽しんだりできます。

陽の差し込み方を考慮して、バルコニーの一部にはオーニングを設置しました。

施工事例8 リフォームで設けるウッドデッキ

ガレージを増築して庭を和洋折衷にリノベーションしたお住まいです。お施主様のご希望もあり、既存庭園の松や梅、つつじなど和風の植栽はそのまま残し、洋風のガレージと違和感のないプロヴァンス風のデザインに纏めました。

愛車のアストン・マーチンを収納するガレージは、電動駆動のスウィングアップ・オーバードアに加え、こちらも電動で駆動する架台を設置。庭の一部にウッドデッキを設け、パラソルとテーブルチェアを設置しました。

趣味を楽しむホビールームは、ガレージとウッドデッキ二方向へ繋がる大開口を設けています。

居室とウッドデッキの一体感を高めるコツ

開口部の高さを天井ギリギリまで広げる

一般的な掃き出し窓の高さは180cm~200cm程度ですが、天井高さとほぼ同じサイズのサッシを導入することで「窓」の存在感が薄まり、屋内外の一体感が強まります。

掃き出し窓を引き込み戸にする

戸袋の中に建具を収納する引き込み戸なら、ウッドデッキと居室を仕切る窓の存在を消すことができます。近年は戸袋のない引き込み戸も人気です。

屋内の天井と軒天を連続させる

縦長のラインが生まれる木材を天井・軒天に使うことで、木目に沿って視線が外に誘導され、空間の一体感が強まります。

ウッドデッキをより楽しく使うためにすべきこと

1.定期的なメンテナンス

屋外に設置されるウッドデッキは直射日光や風雨に晒されるため劣化が早く、定期的なメンテナンスが必要になります。特に自然木で作ったウッドデッキは、砂ぼこりや泥、枯葉などから腐朽菌が繁殖するので注意しましょう。専門業者に依頼すれば高圧洗浄や塗装、パテによる補修などを請け負ってもらえます。

ソフトウッド

マツやヒノキのような柔らかい素材をソフトウッドと呼びます。安価で加工がしやすく、手触りが良いのが特徴ですが、耐久性に劣るため小まめなメンテナンスが必要になります。木目に詰まった砂ぼこりや枯葉を取り除く、表面の汚れを洗い流すといった日々の掃除に加え、一年に一度程度は表面の再塗装(防腐・防虫処理)を行う必要があります 。

ハードウッド

ウリンやイペなど、耐久性が極めて強い熱帯域の広葉樹をハードウッドと呼びます。塗装なしでも長期間持つと言われますが、長く持たせるためには3年を目途に塗り替え、10年を目途に全体を研磨するのがお薦めです。ハードウッドは日光に晒されることでグレーに変色しますが、耐久度には影響ありません。色褪せが気になる場合は屋外用の木部保護ステイン系塗料で塗装しましょう。傷はサンドペーパーで研磨し、苔が生えた場合はブラシで落とします 。

人工木・樹脂

木粉に樹脂を混ぜて作られるのが人工木です。ハードウッドよりも更に耐久性に優れ、腐朽菌の繁殖やシロアリの心配もありません。しかしほこりを媒介としてコケ・カビが生えることはありますので、定期的に表面を水拭きする、傷をサンドペーパーやパテで塞ぐなどの処理は必要です。最近は自然木のような風合いの人工木も開発されていますが、デメリットとして、直射日光があたると裸足では歩けないほど熱くなる点に注意。ウッドデッキ用のサンダルを用意したり、オーニングやシェードで日光を遮断したりするようにしましょう 。

2.ウッドデッキ下の処理を行う

ウッドデッキの防草対策として一般的なのは防草シートです。遮光性の高いシートで地表を覆い、植物が生えてくることを防ぎます。防草処理を徹底したい場合は床下にコンクリートを打つのがお薦め。施工費用こそ高くなりますが、コンクリート床ならば雑草が生えてくることはまずありません。

ウッドデッキの床下が湿っていると、材の劣化が早まり、白アリなどの虫がつく危険性があります。湿気る最大の原因は水はけなので、水はけのよい場所にウッドデッキを設ける、ウッドデッキに傾斜をつけるなどして雨水を逃がす等の対策をしましょう。また、床下に川砂や砕石を敷くことで空気の接面を増やし、湿気を軽減することができます。

床下に野良ネコや鼠が入り込むと、糞尿の臭いや鳴き声に悩まされることがあります。動物の侵入を防止するためには、ウッドデッキの側面に幕板を貼る、床下をメッシュフェンスで囲うなどの方法で対処できます。

3.便利な設備を整える

一番お薦めなのは外水栓と流し台です。水栓があれば庭の水まきや子供のプールに役立ちますし、流し台があれば、わざわざダイニングやキッチンまで行かずともその場でバーベキューの具材や皿を洗うことができます。

また、外電源もウッドデッキの近くにあると便利な設備。夜間照明やイルミネーションの電源として、また、ウッドデッキを洗浄するエアーコンプレッサーや高圧洗浄機の電源として活躍します。ただし、水道配管や電気配線に関しては様々な制約がありますので、事前に建築会社に相談することをお薦めします。

ハンモックも人気の高い設備です。軒下に専用金具を取り付けておけば、ロープと生地だけで気軽に張ることができます。ハンモックは自立式のものもありますが、重量があって持ち運びが大変なので、新築するのであれば吊り下げ式がお薦め。ただし安全性を確保するためには取り付け箇所の強度が必要になりますので、不安があれば建築会社に相談しましょう。

4.プライバシーに配慮した目隠し

外部からの視線が気になる場合は、庭に植栽や塀を設けて目隠しにしましょう。縦格子は意外と視線を通すので、設置するならば横方向の幕板がお薦め。圧迫感がある場合は、上部は幕板、足元は植栽にすることで視線を遮りつつ抜け感を出すことができます。

日本古来の「葦簀(よしず)」や「簾(すだれ)」も、使い方によってはおしゃれな目隠しとして使えます。葦簀や簾は風を通しつつ日光を遮ってくれるため、特に夏季はエアコンに頼らずに室温を下げる効果があります。

目隠しを設けたくない、精一杯開放感を楽しみたいという方にお薦めなのが傾斜地です。計画地が前面道路よりも高い位置にあれば、目隠しなしでも外部からの視線は気になりません。また、隣家との距離感が気になる場合、建物を斜めに配置してみるのも一つの解決方法です。

ウッドデッキ付きの注文住宅は平成建設にお任せください

平成建設では土地の特性とお客様の希望を考慮し、様々なウッドデッキを施工しています。専門家ならではの提案、注文住宅ならではの多彩な選択肢をご用意しておりますので、建築をお考え他の方はぜひお近くのショールームまでご相談ください。

ウッドデッキの施工事例

「ウッドデッキのある住宅」施工事例一覧

まとめ◆暮らし方に合わせたウッドデッキを設けましょう

屋内と屋外を繋ぐ中間領域であるウッドデッキ。土地の形状や利用方法によって、適したデザインや大きさ、使用する材などが変わります。ウッドデッキを快適に、末永く使うためには、ウッドデッキ単体ではなく建築全体で検討し、キッチンやダイニング、リビングとの位置関係、動線や電気配線も含めて計画しましょう。

監修 山田 博

一級建築士/一級建築施工管理技士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/福祉住環境コーディネーター検定2級

前職ではデベロッパーの建築部門で多くのマンション・戸建てプロジェクトを担当。現状は、法人営業を中心に各プロジェクトに参画している。

平成建設 企画部 山田 博