土間にある一面の壁を、継ぎ目のないアートのように仕上げて欲しいというご要望にお応えしました。 曲面の壁にシームレスな表現をするには、どうしたらいいか。様々な条件をクリアする鍵は漆喰でした。アルカリ性かつ凹凸が激しい塗り壁に漆を施す。かつてない挑戦の場を与えてくださったお施主さまに感謝いたします。 見るたびに違った表情を見せてくれる漆壁は人々に安らぎを与えることでしょう。
導入の理由 お施主様より玄関土間にお客様を迎える「顔」となるものを建築でできないかと相談を受け、様々な素材のなかで「平成建設らしさ」となる漆を採用。お施主様の素材への強いこだわりと、「日本の伝統文化」をいわゆる和の空間ではなく、現代住宅のなかで引き継げないかという思いもあり、漆壁を提案しました。具体的には、お施主様の好みのイメージを確認後、原寸大サンプルを作成してもらい内観パースと合せてご提案しました。 建築意匠に取り入れてみて 今回はあえて表側(玄関側)に波模様、裏側(廊下側)はフラットな形を採用しました。昼の顔、夜の顔、触り心地など、漆の持つ多様な顔が空間にとりこまれ、日々の生活を彩るものになったと思います。今後も機会があればぜひ採用していきたいと思います。
宮地この実 Miyachi Konomi平成建設 世田谷支店 設計課
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