コンクリート打ち放しの躯体に、木や漆といった自然素材をバランスよく取り込んだ注文住宅。「今までにない漆の新たな表現にチャレンジしてほしい」というお客様の元、住宅の玄関の壁一面を漆のみで構成しました。「斬新かつ飽きが来ない漆芸」をテーマに、幾度も試行錯誤し実現。漆を塗る素地には木・ケイカル板・漆喰といった異素材を使い、さらに仕上げをそれぞれ変えることで表情にバリエーションを持たせています。
また形状をジグザグにすることでリズムが生まれ、機構に組み込んだ LED 照明が漆の表面に反射し、幻想的な世界観を生み出しています。施工面においても現場での工期短縮や点検のし易さを考慮し、付け外しが可能な構造になっています。玄関を開けると、漆と光で構成された大迫力の意匠壁がお客様を迎え入れます。
日本古来の伝統技術を用いながらも、特許技術や異素材を大胆に組合せることにより、漆をただの素材ではなく「アート」へと昇華させています。また、洗面カウンターやダイニングテーブルに施した「漆黒」が、コンクリートのシャープな空間をより一層引き締めます。