日本の環境に合った住まいとは、夏を旨としてつくられていること。南側に下屋やバルコニーを設けることで光をコントロールし、必要なときに日影を生む。
特に座ってくつろぐ場所に高さは不要であり、落ち着く空間とは大概のものが目線以下にある。すなわち「重心」が低い。 天井高をほど良く抑えた空間は、気持ちがやわらぐ。
「スケール感が良い」とは、その空間(もしくはそのものの大きさ)が大きすぎず小さすぎず、丁度良いことをいう。 それは人それぞれなようで、実は同じであったりする。そしてそれは、案外小さい。
手に触れる部分の素材が、木であったり土であったり、あるいは石や鉄であることは、その質感を視覚以外にも楽しむことができる。 それはたとえ実際に触れなくても、五感に訴えてくる。
人は人が作り出すものに感動を覚える。職人が丹精込めてつくった空間は、簡素ながらも、どこか温もりを感じる。 つくり手の顔が見える建築は住まい手に安心をもたらし、経年とともに愛着が増す。
手や足でふれ、日に焼けて、時間とともに変化する自然素材を多くつかった家は、そこに住む人と共に時を刻み、美しく古びて味になる。
日本に現存する木造建築には共通している点があります。それは軒が十分に出ていること。深い軒は風雨から建物を守り、劣化を抑制します。
傷んだ部分を修繕することで、繰り返す季節と上手に過ごしてきました。
現代ではあまり見られなくなった下屋ですが、日本の原風景を想わせる意匠をもち、水平に伸びた軒のラインは外観を美しくみせてくれます。
また、夏の暑さを抑え、冬の暖かさを取り込むという四季のある日本にあった機能的な屋根なのです。
外壁や窓に直接、夏の日差しが当たらないので、室温の上昇を抑制します。
冬場は、日射角度が低いので日差しを遮ることはなく、室内に取り込みます。
夏場は木陰のように涼んだり、冬場は日向ぼっこをしたり。屋根があるので、自転車置き場や物干し場としても有効活用できます。
ちょっと物を取りに行くときや屋外を掃除するときも身体が濡れることなくできます。
木かげの家は、基本の天井高を2,300mmとした、落ち着く空間となっています。天井の高さを抑えることで窓の開口部は天井に近くなり、自然光が部屋に回りやすくなります。
また、1階と2階の距離を縮めることで、上下階の移動が楽になります。
外観は重心の低い美しい建物となり、環境に溶け込みます。
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