1環境に合った
医療の提供
感染症の影響などで、医療の現場は急速な進化を求められています。その時々で必要とされているものを自分たちで選択し提供できることは開業の大きなメリットです。
小児科・小児ひふ科を担当。北里大学病院、静岡県立こども病院、沼津市立病院勤務を経て、2022年みらいえ こどもと家族のクリニックを開院。
内科・呼吸器内科・アレルギー科を担当。北里大学病院、静岡県立総合病院勤務ののち、企業の産業医としての勤務経歴をもつ。
時代の変化を感じ、自分自身の信念に従い開業を決意した医師夫婦。
ダブルドクターで診療の枠を広げ、開業からたった数か月でたくさんの患者さんから感謝の言葉が寄せられるクリニックとなりました。
院長:開業しようと思ったのは、この数年です。平成建設さんにお会いする1年前は勤務医を続ける可能性もありましたが、
勤務医として働き続けるうちに「世の中の変化に順応した医療を提供していきたい」と思うようになりました。なので、それが一番大きな開業のきっかけです。
新しいことが全て良いとは思いませんが、淘汰されて新しくなっていくべきものが世の中にはたくさんありますよね。
この先医者としてどのように世の中に貢献していくかを考えるなかでご縁が重なり、必然的にこのクリニックの開業へ導かれたような気がします。
院長:他の建設会社さんの話も聞いていたのですが、平成建設さんとお話しして開業への話が一気に進みました。開業にあたり、医療については自分たちで決めなくてはならないのですが、そこは僕らにとっては大きな問題ではなかったです。土地のこと、建物のことのように、自分たちが知らないことのほうが大きな問題でした。平成建設さんのすごくいいところは、僕らに情報や選択肢を提示してくれること。そして、ちゃんと顔が見える関係性をもった方を紹介してくれる。けれど押し付けずに僕たちに選ばせてくれる。そのスタンスがとてもありがたかったです。
院長:僕は沼津市出身なので、だからこそ沼津の市街地で開業したいというビジョンを持っていました。 ただ、土地をどう探したらいいのかは全くわからなくて…。相談して1年ほど経った頃でしょうか、 平成建設さんを通じて、まさに希望していたロケーション、希望していた広さの土地を取得することができました。 本当に奇跡的な出会いだったと思います。
院長:建物については、あらゆることを提案してもらいました。僕らは建物のサイズ感が全くわからなかったので、図面を見せてもらったときに「これじゃあ狭いなあ、大丈夫かなあ」と思いました。設計士の奥村さんは「大丈夫です」と答えてくれたものの、不安がずっと残っていたんです。ですが奥村さんは、僕らが不安に思っていることをちゃんと汲んでくれるんですよね。打ち合わせ中に僕らがぼそっとしゃべったことを、汲んで、次の打合せまでに反映してくれるんです。スルーしないで、ちゃんと聞いてくれる。「無理です」で終わらせずに、建物に反映してくれる。そういう方なんだと思いました。完成後に見てみたら、トイレなんかは想像以上に広かったです。本当に大丈夫でした。
院長:クリニック名について「なんで『みらいえ』なの?」と患者さんにたびたび聞かれます。 僕らは、自分たちでクリニックを建てているけれど、これが自分のものという意識がすごく薄いんですよね。 みんなのもの。地域のもの。きれいごとじゃないですけれど、本当にそう思っているところがあります。 みんなのものと考えた時に「みらい」という言葉を使いたかった。でも3文字だとおさまりが悪く感じて、4文字にしたくて「みらいえ」にしました。
副院長:クリニック名は、自然となじんでくれたらいいなという気持ちではいます。 「いえ」は後からつけたけれども、ロゴマークが家の形になっているから、みなさん理解してくださいます。 小児科と併設した内科があるので、お母さんたちからは「自分もこどもも受診ができて便利」と声をかけてもらっています。 おじいちゃんおばあちゃん世代もいらっしゃるので、目標としていた「全世代の方を対象にした、家族みんなのかかりつけクリニック」に近づいているなと感じています。
院長:クリニックの処置室や予防接種ルームには、保護者の方が快適に過ごせるように一人掛けのソファを設置しました。 僕の中には「こどもは多くのものを親からもらうから、親が満たされていなければこどもも満たされない」という考えがあります。 寝ずに看病していたり、一晩に何度も起きて看病したり、真夜中に吐いたものを片付けたりしている親御さんのことを思うと、 「他人だから」と素っ気ない対応をすることは、僕らにはできない。 親御さんに僕たちが寄り添っていることが伝わって、親御さんの心に余裕ができたら、それをそのままお子さんに向けてほしい。 親御さんへの気遣いは「小児科医の基本」だと考えています。
院長:開業する前は、お互い一医者としてスタッフとの関わり方などを相談し合っていました。
診療科が違うので、「相談できるけど干渉しない」という立ち位置で話を聞けていたのではと思います。
開業してからは立場が変わり、経営に関しても相談できることが心強いですね。夫婦だけでなく、家族も含め、一緒に過ごす時間が増えたのはメリットだと思っています。
(僕たちの)子どももこのクリニックに来るのが好きですし、何より、子どもが僕たちの仕事の様子を見られるようになったのがすごく良かったと思っています。
今までは「どうやら自分の親は『医者』らしい。『病院』というところで働いているらしい。でも何をやっているのかはよくわからない」という感じだったみたいなんですが、
開業してからは自分の親がこういう仕事をしているんだと見て知ることができ、家族のつながりが強くなったと思いますし、理解しあえる部分が増えたと思っています。
院長:僕らはまだ30代ということもあって、最初から自分のキャパシティーで賄えるだけの医療を提供するよりも、伸びしろを持っていたいと考えていました。開業して数か月、今は僕らのキャパシティーいっぱいで診察に当たっています。小児科だけで6ブースあるというように、せっかく大きな建物を作っていますので、いずれはより多くの方を診察するために他のドクターの手を借りるなど、医療に携わる人材を増やして更に地域の役に立てる方向性を探したいなと思っています。
副院長:小児科と内科が一つの建物内にありますので、治療の継続が必要なお子さんが成長してからも途切れることなくクリニック内で治療の橋渡しができたら素晴らしいですね。小児科と内科、お互いに電子カルテは共有できるので、事細かに理解しあえるのは診療科が2つある大きなメリットだと思います。ゆくゆくは、こちらの小児科にかかっていたお子さんが大きくなって、そのお子さんも連れてきてくださるのが理想です。
感染症の影響などで、医療の現場は急速な進化を求められています。その時々で必要とされているものを自分たちで選択し提供できることは開業の大きなメリットです。
お互いに医療のことを分かり合えるからこそ、医師同士の夫婦は独立・開業の良きパートナーとなります。開業してからも、身近に医療・経営のことを相談しあえる相手がいるのは心強いものです。夫婦が話し合うシーンが増えることで、家族の繋がりもより強くなることでしょう。
患者さんにとって診療科が複数あるクリニックは、親子や祖父母の治療を一か所で任せられる安心感があります。門戸を広げてたくさんの患者さんに来てもらえることは、クリニックの経営に安定感をもたらしますし、患者さんは、病院をはしごしなくてもいいという便利さもあります。