大工の日々―平成建設職人集団
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大工の日々―平成建設職人集団

2018.7.18

こんにちは 平松です。

 

 

長く続いたT様邸のブログも終い間近となりました。運良く最後まで現場に関わることができ、感慨深いものがあります。

 

 

自分が関わってからは2年と6ヶ月。遡ると構想20年の設計10年らしいです。とんでもない建物が鎌倉に出来たと思っています。

 

 

 

 

 

基礎編からバトンタッチされた門の続きを載せていきたいと思います。

 

 

木工事中から門の話題はよくでていましたが、目の前の大量にある造作材との格闘に必死でとにかく終わらせる事に集中していました。

 

 

四月に入り一息ついたところで、再び沼津の加工場で始まりました。

 

 

 

正門は福井県に建っていた門を移築するという仕事です。

 

 

そのまま運んで組むというわけはなく、傷んだ部材は交換し、水平になるように柱の根元を調整しました。

 

 

 

この懸魚もカッコいいですね。屋根下地以外は総欅造りでした。

 

屋根が瓦だったものが銅板の一文字葺きとする事になったので、屋根下地が大きく変わる事になりました。

 

 

そして更に袖塀が新規で増築される事になりました。移築とはいえ、かなりの仕事量です。

 

 

 

 

またいつもの人達が集まってきました。

 

内部工事がバタバタしていたので、正直別部隊にやってもらおうという話も出たらしいのですが、日影先生から頂いた「小川チームじゃなきゃありえませんよ。」という言葉がありがたく、門というきっと難しいであろう仕事へ立ち向かう勇気と自信を頂いたとも思っています。

 

 

 

 

袖塀の補修、部材交換は主に唐澤さんと篠原さんが。

 

 

 

 

新規袖塀の親方、原田大工は墨付けから。博康さんが厚木から刻みに来てくれました。

 

 

 

 

加工したり木を曲げたり、修復したりするのはタッキーが担当。

 

 

 

 

垂木や破風など、難易度高めの加工は植松さんが。

 

 

バラしからは唯希も来てくれました。

 

 

 

自分は「軒付」と呼ばれる正門の屋根下地を担当。まずは破風と箕甲(みのこ)の見付面の形決め。

 

 

 

 

破風板と箕甲の関係性が意匠的にも大きく影響するので、小川さんと日影先生と屋根屋さんと何度も形を検証しました。

 

 

 

 

RC造の蔵もそうでしたが、鬼瓦がのり、熨斗のところだけは瓦となります。よって、瓦屋さんとも入念に打ち合わせて形状を決めていきました。

 

 

 

 

基準となる「駒額」(こまびたい)を決め、箕甲部分の下地を決めていきます。

 

 

箕甲部分は杉の五分角を作り、少し斜めにしてとめていきました。そうすることでがたつきが抑えられたと思います。

 

 

 

ようやく上が形になった頃には下の部材も仕上がってきており、仮組みが始まりました!

 

 

 

 

今回時間的猶予があまりなかったこともあり、軒付のついたまま屋根ごとホイストでギリギリまで持ち上げ、組んである袖塀を下からさして仮組みしました。

 

 

 

 

よって経過の写真はほぼなく、組みあがるのは思いのほか早く終わりました。そこから通りをや高さをあわせて、建具の軸となる位置を検証しました。

 

 

門のように開き戸で建具が重量になる場合には、丁番では支えきれないらしいです。

 

 

 

そこで框の上下に軸をつくり、位置が決まったらそこへ軸受金物と呼ばれるものを埋め込みます。

 

 

 

上部が既存の物はなく、ここは意匠的にも重要なところなので日影先生オリジナルからの植松さん渾身の一品が届きました。

 

 

 

 

極厚のケヤキです。荷がかかるところなので、二段ともアリをつけています。

 

下部は柱下の石に穴を空けてもらい埋め込みました。

 

 

その後、GWを挟み鎌倉へ。

 

 

 

 

天候に左右されないように足場に屋根を架けました。

 

 

 

 

神保君が出してくれたアンカーも無事全て納まり、全てが順調にいったと思います!

 

 

 

 

あとは銅板。最後が鬼瓦となります。完成が楽しみです。

 

 

 

 

イチョウと呼ばれるこの部分もカッコよくおさまりそうです! 完成形は最後に載せます。

 

 

新規の方はあまり書くとなんか言われそうなのであえて載せてません。次回お楽しみに!

 

 

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