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大工の日々―平成建設職人集団

自在鉤

2018.3.10

こんにちは! 平松です。

 

3月になりました。世間は卒業シーズンですね。うちの下の子も来週卒園です。

 

うちは子供が二人いて、年が2コ違いなんです。2年前のこの時期にも、小川さんに「卒園式なんで休ませてください」って事がありました。この前の事だった感じがして、この2年の時間というのは今まで体感した事のないような、早くて濃いものだったんだなぁと思っています。

 

平日は鎌倉にいて土曜日に三島へ帰るという生活も数えると15ヶ月目となりました。

 

ちょうどブログを書いている今日が自分にとっての鎌倉生活最終日となりそうです。おじさん4人の共同生活もうまくやっていけるのかやや不安もありましたが、バランスのとれたストレスのない(自分だけかも笑)生活を送れて楽しかったです。

 

皿洗いと洗濯と米を炊くくらいのスキルも身につけた感もあるので、確実に人間力もアップしたと思われます!

 

 

 

 

 

現場の方は3月末の完成に向けて大工・左官・板金・電気・エアコン・設備・塗装・建具・石・・・皆が一丸となって入り乱れながらも協力し合って進んでいます。

 

 

分かりやすく言うとこんな感じですかね(笑)エアコンもすごく苦労しておさめてくれています。

 

ある日は職人が合計28人!という日もありました。

 

皆の方向がひとつに向いていたので一気に進みました。その日は自分のくぐってきた修羅場の中でも1、2を争うところだったんですが、棟梁の指揮と皆の隙間を縫うような流れる動き。

 

感動するくらい何も問題がなかった日でした。また一つ、いい経験を積みました。

 

 

 

 

 

ある日沼津から届いた便に、欅の塊がありました。一人では持ち上がらないような重さです。

 

覚えているでしょうか、タッキーカフェで使っていた囲炉裏の模型を。長らく使っていましたが、無事役目を果たして本番が届きました。

 

加工場でどんな格闘があったのか。今度聞いてみようと思っていますが、オヤビンの謙治さんが本番のやつを作ってくれました。

 

 

 

古材を削って、厚み140ミリの幅400ミリの板を4枚。卍梁の真下に、上の梁と同じ勝手になるように組みました。

 

 

寸法も矩も、もちろん仕上がりもピカイチの物が届きました。謙治さん、さすがです!

 

 

あとは中に下地を組んだら銅板をまいて、灰を入れていくそうです。

 

 

 

 

そして上部には自在鉤(じざいかぎ)という鉄の棒。

 

 

その上に火棚(ひだな)。熱や煙を拡散させる為のものらしいです。

 

 

さらにその上に自在鉤をかける鉤。前に植松さんと共に写っていた、通称「し」です。欅の塊が最上部にこのように吊るされる予定です。安全性を考慮して、色々な仕掛けをしてあります。

 

 

 

役者は揃いました。早く全貌を見たくて、うずうずしています。

 

 

 

続々と仕上がってきて、照明器具や設備もつきだしました。全部説明はできませんが、きっと一つ一つにエピソードのあるもの達なんだろうなと思われます。

 

スイッチプレートは陶器製になっています。碍子ととても合っていますね!

 

完成間近で名残惜しいですが自分はこれからT様邸の家具を作りに沼津へ戻り、現場の様子は仲間達に託します。

 

次はタッキーの番です!

 

 

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