鉄扉と違い棚
こんにちは 平松です。
今年は寒い日が多いですね。雨も少なくて、現場から見える夜空はとても綺麗です。
一方でインフルエンザが猛威を奮ってるようです。我が家やT様邸にも被害がありましたが、何とか持ちこたえています。
現場はどんどん進んでいますが、床貼りの頃まで戻ってもいいですかね。12月頃です(笑)
玄関ホールから居間に入った所。長さは4、6メートルもあります。手前も奥も欅の敷居につけるという仕事です。
さらに框も取り合っているので難易度がグッと上がります。この一枚決めるのにどれだけ労力がかかったか。大変だった事はよく覚えてるものですね。
前回も書いたかと思いますが、欅の床ももちろん無垢で、厚さ30みり、幅は235ミリとなっています。
この寸法になるまでに、削っては乾かすという工程を何ヶ月もかけて3回。欅の動きやすいという特性を知っている小川さんの段取りによって、慎重にそこまでの時間と手間暇をかけても、現場で貼る時には1ミリ以上痩せていました。
その後さらに現場は冷え込み、貼った後もさらに縮んでいる現実もあります。
木は生きている。無垢材ばかりを扱ってきた2年間で、経過も観察できる毎日です。古材だからといっても動いている事は間違いなく、自分の考えとしては湿度が大きく関係していると思われます。
0.何ミリの隙間もないようにがんばったところがすいているのを見るのは受け止めたくない現実ですが、自分が一枚貼る度に二階から見に来る証人がいたんで気持ち的には助かりました。
「あのときはもっとついてましたよ」って(笑)
意味がわからないまま一年経ちますが、僕の仕事をこうやって見るのが大好物らしいです。
カメラを向けるとさらにグイっと前に出てくるのは他にいないでしょうね(笑) 面白い男です。
暖かくなってきた頃の様子もまた気になりますが。今できる精一杯の仕事を残し、このような経験をする事が木の特徴や動きを読むことの出来る大工へと近づけると思います。
そう言い聞かせて、毎日木と向かい合っているところです。
床貼りが終わると、またとんでもない物が現場へと搬入されてきました。
鉄扉です。塗装されてピカピカになっていますが、これは古材です。加工場にしばらくあった姿からは想像できない仕上がりになりました。
応接間の入口になります。2人じゃ持てない重さです。重量がすごいんで、基礎も土台も補強の為に入っています。
取り付けは、施主様特性の化粧ボルトを15本!絶対に外れない自信があります。
パッと見じゃわからないですが、古材のため鉄扉の端部もまっすぐなわけがありません。
木の古材と同様に、取り合う部分は全てひかってはめてあります。これもきっと忘れられない仕事になると思います。
先に蔵戸が入りました。よく見ると格子の要所要所にも鉄板が!下部も鉄板です。鉄扉の枠との相性抜群ですね。これで両開きの鉄扉がつくとものすごい重厚感になるでしょうね!
もう終盤なんでもうひとつ。
応接間には古材の違い棚がつきます。解体してきたままの状態で搬入されました。
欅で作られた違い棚は、束の寄せアリはもちろん、上段の筆返しと呼ばれる部分にもアリが切られていたり、下地やズリにまでアリが切られているというとても手の込んだ物だと思われました。
組まれたであろう順にバラし、下地も一応残しておきました。
その判断が功を奏し、下地も再利用する事で手間も少なくてすみましたし、何より昔の仕事を生かしてあげれた事に喜びを感じました。アリがついているので、絶対抜けない安心感も得られました。
使わなかった下段のアリは地獄アリになっていたのですが、油をくれたりして丁寧に解体し、猛烈に興味を示した唐澤さんと折半しました。
束の面の形など、帰る時間も忘れて談義してましたね(笑) 実物があることで仕事のイメージがしやすく、選択肢が増えます。またひとつもふたつもスキルアップさせていただきました。
T様邸の工事は終盤になり、続々と仕上がりが見えてきています。1日1日を大事に過ごしていきたいと思います!
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