鎌倉だより⑬〜沼津編〜
author:
瀧本 篤典
まもなくT様邸鎌倉編の第1章が終わりを迎えようとしています。
すでに鎌倉に乗り込んでから14ヶ月以上の月日が経ちました。
現場では「そろそろお別れだなぁ」という声がちらり、ほらり
そんな中、ぼくは沼津に一時帰郷。
そう
半年以上もの間、加工場の隅で眠っていたこいつに触れるときがきました。
福井の倉庫ですでにこいつは数十年眠っていたことを考えると、改めてT様邸のプロジェクトのすさまじさに気付かされます。
そして、このときこれが鎌倉編第2章のプロローグであることに瀧本はまだ気づいていないのであった。
この屋根の構造が見えるところまで解体するのが今回のミッションです。
まずビリビリに破れているビニールみたいなものをはがします。
これは「ハイトントン」と呼ばれる塩化ビニル製のルーフィングです。熱収縮が大きくルーフィングに亀裂や孔開きが発生し、雨漏りの原因になります。
すでに廃版となり、現在使用されることはありません。
こんな年代物を見れるのも貴重な体験です。
杉皮の上に瓦桟が流れています。
瓦桟をばらします。
一枚長さ240くらいの杉皮がびっしりしきつめられています。トントン葺きの目的は防水であり中に雨水が侵入しにくいようにはり重ねられています。
蓑甲の曲面が美しいです。
野地板が姿を現しました。
さらに
垂木と中の構造が姿を現しました。
意外とシンプルで驚きました。
写真では分かりにくいですが垂木は棟から軒にかけて少し細くなるように木取られていました。また、中に見える横材で垂木の照り具合がきめられていました。
続いて設計の日影さんがばらし終わった屋根の野張を始めました。
ものすごいスピードで手書きで図面にしていきます。
小川さんは測量しやすいように屋根に対する水を出していました。
ケンジさんも加わり何かを話していました。
そして、記憶と寸法をたよりに柱、梁、扉を探し組み立てます。
屋根の横の袖を組んでいきます。
袖の横についている柱二本、そこから貫で繋がれた控え柱二本、計四本の柱に屋根が乗ってきて門となります。
門には様々な形式があり、冠木門、腕木門、棟門、四脚門、薬医門、長屋門、高麗門などなど
その中でもT様邸で使われる門は「薬医門」と特徴が似ていました。
この門の工事が始まるのはまだ先の話ですが、現場でどうおさまるのか今から気になります。
そして4日ぶりに鎌倉へ
ほんの数日でかなり現場が変化していてびっくりしました。
ではでは
おまけ
鎌倉の晩御飯
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