先日、とある現場にて行われている型枠工事に参戦してきました。
型枠とは…言わば作りたいコンクリートの形に合わせてあらかじめ作られた箱のこと。
屈強なイメージのあるコンクリートも、もともとは生コンクリートというドロドロとした液状のもので、型枠はコンクリートが固まるまでの間、その形状を維持し、コンクリートの品質を確保する重要な役割を担っています。
そしてこの型枠は、コンクリートを形成するうえで不可欠なものでありながら、完成した建築物では見ることはできません。あくまで仮設物なので、仮枠と言われることもあります。
こちらが型枠です。この写真は既にコンクリートが流し込まれており、解体の最中の状態です。
本日はこの型枠を剥がしていく「脱型」と呼ばれる作業を実施していきます。
このように聞くと地味な作業のように感じますが、どのような手順で脱型すれば早くて綺麗か、脱型した型枠をどのように保管すれば次に使いやすいか、といったところに工夫の余地があり、経験と想像力が試されるのがこの仕事の面白いところ。
そして何より、解体した型枠の裏から黒光りしたコンクリートが姿を現すのは、ものづくりの最前線にいることを実感でき、職人冥利に尽きます。
上の写真はエントランス部分の型枠です。密実にコンクリートが打ち込まれているようで一安心。
エントランスの型枠は上階で使用されないので、トラックに積み込んでいきます。搬出された型枠は会社で別班が解体し、次の現場で使用する型枠の材料として使用されます。
人数や現場の規模にもよりますが、脱型は一日にして成らず。明日も脱型は続きます。
今回は、普段なかなかお目にかかれない型枠工事の中でも、さらに日の目を見ることのない脱型の工程についてご紹介させていただきました。
現場と聞くと、釘を打ったり、物を組み上げたりする様子を想像される人が多いと思いますが、実際にはその他にもたくさんの工程があり、非常に奥が深いということを感じていただけたら幸いです。
蛇足
1階で仕事をしていた自分の頭上、2階では別の部隊が鉄筋を組んでいました。またいつか鉄筋の工程のリアルな様子もお届けできればと思います。