ある公共建築で日本建築学会賞を受賞した方のお話を聞く機会がありました。
その方は、「経年変化」を考えて作ったとおっしゃられていました。
経年変化で色が馴染み、優しい「桃色」のシマシマ模様の外観ですが、新築時はもう少し色味のはっきりしたシマシマで、地元住民の方から色合いが受け入れられず、反対意見もあったと聞いたことがあったので、「経年変化と新築時の美しさについてどのように考えてつくられたのか?」という質問をさせてもらいました。(今ではそんなこと聞けませんが、当時は学生でしたので…)
「いい質問だ!」ととても褒められましたが、肝心の返答はちゃんともらえた記憶がありません。笑
なので、答えはありませんが・・。こんなに引っ張ってすみません。笑
前置きが長くなりましたが、いえの中で触れる機会が多いのは「床」ですよね。 広い面積を占めるので家の雰囲気にだいぶ関わってきます。
私「オーク」
夫「チーク」
名前は似ていますが、色味や木目は全然違います。
オーク↑
チーク↑
今までの経験からいくと、 奥様は明るめ(オーク、杉、パインなど)、旦那様は濃いめ(チーク、ブラックウォルナットなど)を選ばれる方が多いなと・・・(そして大体奥様の意見が通ります。笑)
マルホンさんのショールームにて、あれやこれやと見ていると
おやっ、と目に留まるものが。
色味は、程よい濃さの中間色。木目も柔らかく、何よりも「肌ざわり」がとても良い。きめが細かくて、しっとりとした絹のような肌。すべすべです。わたしもこんなお肌になりたい・・・
そんな「ヤマザクラ」に決めました。↑
実はカットサンプルを見たときに、展示のものと全然違う!!!と思ったんです。聞いてみると、ヤマザクラは経年変化で、源平(*1)がなじんでいくとのこと。同じ桜でも、ブラックチェリーは源平が残るそうです。好みにもよりますが、源平のなじんだ飴色のヤマザクラの色味や質感がなんとも言えない、ただただ好き。
*1 源平:赤い(濃い)部分と白い(薄い)部分が混じっていること
(幅は違いますが、源平のカットサンプルを上に載せてみたところ)
経年した先を想像して、経年も楽しみながら暮らしていけそうです。
冒頭の質問の答えが少し分かった気もします。
おまけ:大工の山下さんの鉛筆を奪い取り、養生材に落書きをする娘
(床だけは、絶対にやめて…養生材からはみ出ないかひやひやする大人たち)