今週の平成建設 5月18日

先週は「超過死亡数」が話題になってました。元々は「（特定の条件が）間接的に働き、死亡に至った数」を推計する指数であり、毎年インフルエンザの影響を計測するのに使われています。
例えば、腎機能に障害を持つ方がインフルエンザに罹患し、腎機能が悪化して亡くなった場合や、インフルエンザで寝込んでいる間に脳血栓ができて亡くなった場合、インフルエンザと診断される前に老衰で亡くなった場合などは、死因こそインフルエンザにはなりませんが、まったく無影響だったとは言えないですよね。このような「間接的に」影響を受けた死者数を考慮することで、その疾病（とか災害）が社会に与えた影響をより正確に把握することができます。

新型コロナウィルスに関してもその影響を測るために注目されているのですが、この超過死亡数と実際に新型ウィルスで亡くなった方の差が、ドイツでは1,000人ぐらい数が合わない、イタリアでは10,000人ぐらい数が合わないという結果になっているそうです。（昨年同月との対比）

これは新型ウィルスで病院がパンクした結果、通常の治療行為が受けられず亡くなった方も含まれているため、その数がそのまま「隠れコロナで亡くなった方」ではないのですが、医療現場が崩壊した欧州はかなり大きな影響を受けていることが分かります。（フランスは途中から、病院だけでなく高齢者施設で亡くなった方も合算していたので誤差が殆どない状態）

比較として東京都の1～3月の超過死亡数を見てみると、３か月平均で昨年よりも減っている（ただし３月は昨年よりも多い）という結果になってます。つまり医療崩壊もしていないし、見えないところで感染拡大、多数が死亡という事実はなかったということ。
ただ、3月が反転していること、日本で死亡者が増えているのは４月からということを考えると、４月以降の推移についても見守りたいところです。