平成建設の家づくり

ワークスペース、集めました

「場所に依拠しない柔軟な働き方」として注目を集めたものの、多くの企業が導入した後の浸透のさせ方に頭を悩ませていたテレワーク制度。ここ2年の間に、従来の制度活用に加えて緊急時の対応として導入し、スタンダードな働き方として活用する企業が一気に増えました 。こうした社会の変化を受けて、住まいにワークスペースを設けるプランも多くなりました。オミクロン株の出現により、年明けから再度出社から在宅勤務に切り替えた方が多いかと思います。この機会に改めて、皆さんのライフスタイルに合うワークスペースを考えてみませんか?今回は、住まいのワークスペースを集めました。

在宅勤務をする際に課題となるのが、仕事とプライベートの切り替え。企業によっては、テレワークの要件に「会社にいる時と同等の環境を整備すること」とあるくらい、環境が仕事の生産性に与える影響は大きいと考えられています。一方で、定期的に席を立ったり、ストレッチなどで気分転換をしたりすることも、生産性の向上や心身の健康を保つために必要なこと。お家の中でも、仕事内容によって働く場所が変えられると、より集中して仕事に取り組めるかもしれません。今回は、個室型やリビング併設型など、様々なワークスペースをご紹介します!

集中できる個室の書斎

テレワークが始まった当初は、家族でダイニングテーブルなどの生活空間を利用する方も多く、仕事に集中できないと感じた方も少なくなかったそうです。また、WEB会議や電話をする際に、お互い気を遣いストレスを感じたという話もよく耳にしました。自分以外にも家で仕事をする人がいるご家庭には、書斎を設けるのがおすすめです。部屋数に余裕がないといけないのでハードルは高めですが、集中して作業をしたい方や声を発する仕事が多い方は、周囲を気にせず仕事ができるようになり効率がアップすること間違いなしです。

中庭に臨む窓際に設けたヤニ松のデスクカウンターは、掘りごたつのように足を下ろして座れます。グリーンの壁は四国化成の「季の譜10 竹林」。竿縁天井や幅木の杉の柔らかな雰囲気と窓から差し込む光が相まって、室内にいながらも木漏れ日の中に身を置いているような心地の良い空間に。床材の相生杉は、ウレタン塗装して空間全体を引き締めます。仕事をするもよし、読書をするもよしの落ち着いた大人の書斎です。

白を基調とした空間に、ウォルナットの濃い色合いが映えるこちらの書斎。デスクカウンターや棚を造作することで、空間を最大限に活用できます。フローリングには、イクタの「プリオス(ペット用)のチーク柄」を採用。滑りにくいだけでなく、キズや汚れにも強いので、キャスター付きのチェアでも安心してご利用いただけますよ。

幅1.5mと大容量の本棚と、製作のソファを組み合わせた籠り感のある書斎。濃色のクロスと遊び心のある丸窓に、宇宙船やクルーズ船などを思い浮かべる方もいらっしゃるのでは。大人になると理性を優先させがちですが、たまには童心にかえると、アイディア出しなどのクリエイティブな仕事がはかどるかもしれません。少年誌が大人にも愛されるように、大人と子どもの心が共存する方が、柔軟性があって色々な世代に愛されるものを生み出せる気がします。

部屋の一角にワークスペースも設けるのもおすすめ

普段は家族がいるリビングで作業ができるという方でも、WEB会議の際など一人になる空間が必要になるときもあります。そんな時は、寝室などにワークスペースを用意するのが吉。メイクやアイロン掛けなど、日頃必ず使うスペースと共有できるようなワークスペースなら、今後出社するようになっても活用し続けられます。籠り感が欲しい方は、間仕切りなどを設けて半個室の空間を造るのもおすすめですよ。

寝室の一角に設けたこちらのワークスペースは、アイロンがけなどの家事にも使える広々としたカウンターが魅力です。壁付けにしたデスクの上部の棚にはデスクライトも設けているので、明るさが気になる寝室でも仕事がしやすそうですね。扉の先にはウォークインクローゼットがあるので、家事をする机としても利用可能。洗濯物を取り込む→畳む→しまうの家事動線もスムーズになりますよ。

こちらも寝室の一角に設けたワークスペースですが、入り口を下がり壁にして寝室空間と緩やかに仕切ります。ホワイトの壁が、まるで絵画の額のようにワークスペースを囲い、洗練された空間をより際立たせていますね。デスクカウンターや大容量の本棚は、空間にぴったりと合うサイズで製作。統一感のある空間が実現できるのも、製作家具のよさの一つだと改めて感じました。

生活空間と緩やかに繋がるオープンデスク

小さなお子様がいるご家庭では、仕事をしながら子どもの様子を見なければならない時もあると思います。そんな時は、生活空間の一角にワークスペースを設けるのがおすすめです。取り入れやすいのは、リビングにテーブルやカウンターを設けるタイプ。間取りを利用して籠り感を出したり、居住空間と床の高さを変えたりすると、生活と仕事の切り替えもしやすくなりますよ。

キッチンの前のカウンターは、ちょっとした作業をするのにちょうどいいカフェ気分が味わえるスペース。キッチン前に造作壁を設ければ、パソコン作業も安心してできますね。運動不足が気になる方は、椅子の代わりにバランスボールを使って仕事するのもありだと思います。ちなみに、腰痛が気になる方は腹筋と背筋のバランスが悪いことも一つの要因だそうです。

リビングのコーナーを利用して設けたワークスペースは、大きな窓を設けて明るく開放的なスペースに。集中して作業をしたら、お茶を飲みながら窓の奥にある庭の緑を眺めて休憩するのも良いですね。掘りごたつのようにデスクカウンターの下に足を延ばせるので、小さなお子様の遊び場や宿題スペースとしても活躍しそうですね。

LDKに設けたワークスペースは、背面にテレビボード兼本棚を設けて生活空間と緩やかに仕切ります。背面に本棚を設けることでWEB会議でも音が響きにくくなるので、家族の視線も気にする場面が少なるので作業に集中できそうですね。本棚をファミリーライブラリーとして活用すれば、思わぬところに仕事のヒントが見つかるかもしれません。

LDKの一角にワークスペースを設けたこちらは、マンションのリフォーム事例。リビングの奥まった空間を利用した籠り感のあるワークスペースになっているので、作業に集中しやすい環境です。グレーと青緑色のアクセントクロスに囲われているので、リビングと同じ空間にありながら仕事と生活の切り替えがしやすそうですね。

動線上にもワークスペースがあると便利

打合せや休憩の時間など、会社にいる時は定期的に席を立つ瞬間がありますが、自宅になるとずっと同じ部屋・場所にいることが多くなります。椅子に座って同じ体勢を取り続けると、場合によってはエコノミークラス症候群になる危険性もあります。働き方によって合う合わないはありますが、その日の気分や仕事の内容に合わせて居場所を使い分けるのも、効率アップの秘訣ですよ!

LDKから2階に上がる階段の途中にあるワークスペースは、リビングやキッチンにいるご家族の様子を感じながら作業ができる特等席。アイアンの手すりに囲われたシンプルな仕様なので、圧迫感なく生活空間とワークスペースを仕切ります。ワークスペース下の遊び場と高低差があるので、お子様が小さいうちは落下防止ネットを張ると安心です。

洗面スペースのカウンターも、ワークトップを広く取るとワークスペースとしても活用できます。普段はオープンにしている洗面スペースでも、後ろに可動式の間仕切りを付けると個室にもなり、WEB会議でも活用できますよ。狭小地などに多い3階建てのお住まいなら、階段の上り下りで軽い運動もできて健康にもよさそうですね。

階段下に設けたこちらのワークスペースは、正面にホワイトボードを設置。仕事のメモ代わりに使えるだけでなく、出掛けにメッセージを書いたりと、ご家族のコミュニケーションツールとしても活用できそうです。デスク下の収納も、使うものに合わせて細かく寸法を設定できるのは製作家具ならでは。長い期間、愛着を持って活用できるスペースになりますね。

アフターコロナも活用できる空間を

テレワークが普及することで、通勤などの移動に関わる時間が自由に使えたり、子育てや介護の必要がある働き盛りの世代が働きやすくなったりと、結果として企業と個人がwin-winの関係になることが期待されています。一方で、業種や職種、希望する働き方によっては、合わない方がいらっしゃることも事実です。臨時で設けた空間でも、社会や個人のライフスタイルの変化に対応できるような空間にすると、長く活用できるスペースになります。ワークスペースも仕事をする場所ととらわれず、フレキシブルにご活用ください。

連日の感染者の報道を受けて、不安を抱えながら日々を過ごされている方も少なくないと思います。感染症対策をすることはもちろんですが、同じくらい心のケアも大切です。たまには「お疲れさま」と、少し贅沢なご褒美で日々頑張る自分を甘やかしましょう!