みなさんこんにちは。「平成記念美術館 ギャラリー」企画・運営担当の三田村憲和です。
さて、いきなりですがこちらの文章を読むことができますでしょうか。
三那佐武於者余有許差移満春
・・・?
なんというか中国語みたいに漢字が羅列していますが、読めましたでしょうか?
実はこちら「みなさんおはようございます」という文章です。
和歌や昔の文章などを読もうとすると、読めない文字があると思います。
それが変体仮名(へんたいがな)です。
変体仮名は昔の書や書物にたくさん出てきます。
漢字が伝わった頃、日本では日本語の1つの音に複数の漢字を当てはめて使っていました。
たとえば、「カ」の字源は「加」という漢字ですが、
他に「可」という漢字からできた文字も使われていました。
また、「キ」の字源は「幾」ですが、「支」という漢字からできた文字も使われていて、「ニ」の字源は「仁」ですが、「尓」という漢字からできた文字も使われていました。
このように一つの音に複数の漢字を使うことができるため、現代人には昔の書物などを読むことが難しいのです。
さらにかな書道で書かれる文字は平仮名の他に万葉仮名や草仮名なども含まれています。 そこに変体仮名を使うことで作品にも変化が生まれ、かなの書に豊かな表現が生まれています。
現在開催中の「KOREMADEの高木厚人展」ヌーベル賞(1985)から大臣賞(2018)までの軌跡 でぜひそんな変体仮名や文字の変化などを見つけてみてください。
また、二階ショールーム内には住宅空間とマッチした作品が展示されていますので是非そちらもご覧ください。