みなさんこんにちは。 「平成記念美術館 ギャラリー」企画・運営担当の三田村憲和です 。
さて今回は第6回平成芸術賞を受賞した、千田華子さん(Chida Hanako)さんの作品のご紹介。
千田さんは、大学では工芸科で染織を研究されています。そんな中、地元である岩手の伝統産業「ホームスパン」に出会いました。
「ホームスパン」とは、染色した羊毛を家(HOME)で紡ぎ(SPUN)、紡いだ糸を手織りする技法。明治時代にイギリスから伝わりました。
そして、千田さんの作品「Autumn Leaves」がこちら。
まっさらな羊毛が染められ、紡がれた糸が織によって交差し、色が混ざり合う複雑な表情が、様々な色が折り重なる美しい秋口の葉っぱの景色とリンク。また葉に含まれる色の要素を抽出した作品となっています。
千田さん「様々なテクスチャーや色の変化がある重厚感のある服地のため、シンプルな縫製にし、手紡ぎならではの揺らぎをかんじられるよう工夫しました。寒くなってきた頃に、人々をあたためる柔らかなウールの素材を感じられるようにという思いを込めて作った作品です。 」
残したい繋ぎたい伝統の現在のあり方、そしてそれをいかに次の世代に残していくか、現在の日本のモノづくり全部に共通するこの問題を再度考えさせられる作品でした。
平成記念美術館 ギャラリーにて現在開催中の展覧会「真髄を探る 日本の木工芸展」「淺井濤子・磯野宗和 盆石展」は4月10日までとなります。ご興味のある方、お早めにどうぞ!
そして4月17日からは「澤野新一朗 写真展」 がはじまります。
地球上最大といわれる野生植物の宝庫 、南アフリカ・ナマクアランド。
その圧倒的な光景を「神々の花園」と名付け、四半世紀以上にわたり、ライフワークとして撮り続けている写真家、澤野新一朗さんの展覧会となります。
参加費無料のギャラリートークも開催しますので、ご興味のある方は是非ご予約の上お越しください。→ご予約はこちら
※ギャラリートークは4月18日と5月22日の2回を予定しておりましたが、感染症等の影響により4月18日の開催は中止とさせていただきました。
5月22日は現在開催する予定ですが、今後の状況によっては中止となる可能性もございます。最新情報はギャラリーウェブサイトをご確認ください。