みなさん初めまして。
世田谷ショールームに併設の「平成記念美術館 ギャラリー」の企画・運営を担当しております、三田村憲和です。
今回から私がこのブログで美術に関することやイベントなどの情報を発信していきたいと思います。今までブログを書く機会がなく、右も左もわからない初心者ですが、どうぞよろしくお願いします!
現在、平成記念美術館 ギャラリーで開催中の展覧会「世界の漆芸作家36人による 越前和紙×漆芸 令和の36歌仙」では、世界の漆芸作家36人に、越前和紙に漆を使って絵を描いていただいた個性豊かな作品の数々を展示しています。
そこで今回は「漆」の話をしたいと思います。
昔は漆塗りの椀でお味噌汁を飲んでいた方や、お正月には漆塗りの重箱でおせちを食べた記憶があるなんて方もいらっしゃるかと思います。
「でも漆ってなに?」という方もいらっしゃると思いますのでざっくりとご説明いたします。
ざっくりいうと・・・樹液!
これは(笑)
ざっくり言いすぎましたので、もう少し詳しく説明いたします。
ウルシ科ウルシ属の木からとれる樹液を原材料にして制作されるものを「漆器」や「漆製品」などといいます。
漆液の取れるウルシの木は東南アジアを中心に植生しています。
ウルシの木から漆液をとれるようになるまでに約15年もの歳月がかかります。
さらに15年一生懸命育てた、1本のウルシ木からとれる漆液の量はなんと約200㎖といわれています。
そんな漆が使われている今回の展覧会では、なんといっても「越前和紙」とのコラボレーションが見所です。漆芸作家の方々には3種類の越前和紙をお送りしてご自身で好きな和紙を選び作品を制作していただきました。それぞれの和紙の特徴を生かした作品はとても見ごたえがあります。
さて、ここで問題です!
以下の4点の作品の中から同じ和紙を使った作品を見つけてください。
みんなさんお分かりになりましたか?
正解はなんと
こちらの4作品すべて同じ和紙で作られた作品となっております!
よくみると、4作品すべてに波のような模様があり、それを活かした作品になっていることがわかると思います。同じ紙の特徴を活かしつつ、ここまで違う作品ができあがるんですね。
こちらのクイズを作っていて思ったのですが…写真で伝わるかな…これが同じ和紙だと…この作品たちの良さも… うーん…そうだ!
これはもう直接見ていただくしかない!そんな結論となりました(笑)
他の2種類の和紙で作られた作品も、それぞれの特徴を活かし、素晴らしい作品となっております。ぜひ会場にてご覧いただければ幸いです。ご来場お待ちしております