冬にまとまった雨が降るのはとても珍しく、ここから数日、まるで梅雨のような天気になるそうです。
原因は気圧の配置が例年と違うということでして、テレビで気象予報士の方が分かりやすく説明してくださっていました。皆様にお伝えできるほどの知識にはできませんでしたが。
さて。今日は、世田谷支店併設の「平成記念美術館 ギャラリー」にて開催中の展示会についてお知らせいたします。
平成記念美術館とは、と説明を始めると長くなってしまいますので、ぜひこちらをご覧ください。
平成記念美術館 ギャラリー
現在の展覧会は「令和の36歌仙」。
世界10か国、1地域に住む36人の漆藝作家に越前和紙を数種類送り、漆で自分の世界観を表現してもらった作品を展覧しています。
本展示は、福井県が主体となり実現したもので、越前和紙の魅力、そしてその多様性を多くの方に知って頂きたいという想いから開催となりました。
企画のタイトルに「36歌仙」とあるように、作家の先生方には作品と共に短い歌、詩をつけて送って頂いています。その歌の内容も含めて、作品を楽しんで頂ければと思います。
せっかくなので、世田谷支店の何人かにお気に入りの作品、気になった作品を教えてもらいました。あくまでも主観であり、当美術館としてのオススメというわけではありませんので、ご理解いただいたうえでお楽しみください。
まずはこちら。
「動く地平線」 Manfred Schmid/ドイツ
仰ぎ見る はるか地平に 昇る陽を 見つめる我の 心は踊る
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シンプルなデザインながら、イメージが広がる。水面にも見えるし、都会の光にも見える。地下へと続く地表の境界線のようでもあり、地球と宇宙のはざまのようでもある。
黒と赤のコントラストも、エネルギーを感じたり、静かな落ち着きを感じたりすることができるので、より多様な捉え方ができる点がとても面白く感じた。
和紙と漆の良さをそれぞれうまく生かしているような作品だと思う。
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とのことです。
実物をご覧頂くとより感じるのですが、越前和紙が持つ凸凹とした質感の上で、漆が上下に広がっているような様子はとても立体的です。それぞれの立体感があるからこそ、作品に対する感じ方も多様になるのかなと感じました。
そして2点目はこちら。
「窓」 鄭栄煥/韓国
日の出と夕暮れの鮮やかな色
ひかりは窓を通して輝き
キラキラした色は儚い思い出を蘇らせる
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全体的にとてもスタイリッシュ。全体的に黒い作品の中心に螺鈿技法を用いたデザインになっていて、さらに立体的なデザインになっている。きれいに連なる対照的なデザインが美しいと感じた。
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越前和紙を黒く塗り、中心に窓のように据えた部分がより強調されるような形です。和紙ならではの柔らかな黒が螺鈿の煌めきあるデザインを包んでいるように見えました。
窓部分の立体感もぜひ一緒に楽しんで頂きたい作品です。
写真で作品を見るよりも、やはり実物を見て頂いた方がその魅力は伝わります。2月28日の会期終了まで作品をご紹介していきますが、できる方はぜひご来場頂き、作品を感じて頂ければと思います。
それでは、皆様のご来場お待ちしております。