朝倉彫塑館(あさくらちょうそかん) | 藤沢SHOWROOM通信 -平成建設藤沢支店ブログ-
雑記

朝倉彫塑館(あさくらちょうそかん)

こちらは日暮里駅から徒歩3分のところにある「朝倉彫塑館」。偶然みつけたなにやら素敵な建物です。ここ「朝倉彫塑館」は、明治・大正・昭和にわたって活躍した彫刻家「朝倉文夫」の住居とアトリエだった建物で、現在は美術館として建物と作品を公開しています。設計は、朝倉氏本人です。多才ですね。

 

膨大な視線を感じて振り返れば、朝倉氏の作品がこっちを向いています。「ようこそ~」と言わんばかりに。

 

館内は撮影禁止。素晴らしい建物で、お見せできないのが本当に残念。500円で発売されていたミニガイドをほんの少しだけ…アトリエ部分は鉄筋コンクリート造。増改築を繰り返し、昭和10年に今の姿になったそう。昭和初期の建物ですが、とても美しく現存しています。

 

天井までつづく本棚に収められているのは、日本美術を語る上でとても貴重な蔵書だそうで、もともとは朝倉氏の恩師のもの。恩師の死後、朝倉氏本人が、古書店に売り出されていたたくさんの本を、自分の住まいを抵当に入れてまで買い戻したそうです。

 

美術館は、アトリエから住居部分、そして、屋上庭園へ。住居部分は中庭を中心に設計され、どの部屋からも庭が見えます。2階の窓は、かなり低い位置にあり、座って庭を眺めるにちょうどいい高さのようでした。2階奥の部屋の名前が「素心の間」という名前で、とてもいいなと思いました。「素心(そしん)」とは、いつわらない心・かざらない心・本心という意味らしいです。朝倉氏も、この「素心の間」で、庭を眺めながら、自分の本心を見つめていたのだと思います。見終わった後、息子が「美術館楽しかったー!」と言いました。3歳の「素心」でしょうか。美術館なんてつまらないかと思いきや、回遊できる間取りや、屋上の庭園がとても気に入ったのだと思います。庭にはとっても大きなコイも泳いでいましたし、朝倉氏が生きていた時代にはなかった「スカイツリー」が窓から、庭園から、とてもよく見えたのです。

どの部屋も素晴らしく、ため息が止まりません。ああ、クールジャパン。

 

上野駅からは徒歩20分くらいでしょうか。人がたくさんの上野公園から少し離れた「朝倉彫塑館」、家づくりを始める時に一度見ておくと、何か参考になることがあるかもしれません。上野公園の美術館に比べて人が少なく、周辺には、おいしそうなものがちらほら。おすすめの美術館です。