お気に入りの「照明」 | 藤沢SHOWROOM通信 -平成建設藤沢支店ブログ-
雑記

お気に入りの「照明」

節分もすぎ平成建設藤沢ショールームの緑たちは早々と春の装い、パールアカシアの花が咲き出しました。いろんな種類があるアカシアは尖った葉が多いなか、ビロードの質感とよく表現されるパールアカシアの葉っぱは丸っこくて白っぽいのが特徴、かわいらしいです。つぼみはボール状なので360度方向にぐんぐん広がっていきます。3月ごろまで見ごろの続く黄色い花の塊達、お近くにお越しの際は一目ご覧にいらしてください。

光

さて住宅の現場もいよいよ大詰めです。なんだか幻想的な光が差し込んでいますね。大工さんの粋な演出かと思いきや、集塵機がうまく作動していなかった模様、、

光2

はいっ、スッキリとした空気に回復です。右下のグレーの丸々としたかたまりにボードをカットする際に出た埃は吸い取られていきます。

今週いっぱいで大工さんが行う下地作業は終わり、その後仕上げ材を貼っていく作業が始まります。

下地

外壁の施工途中の下地の状況です。木と木の間に隙間があるのは室内からの湿気の逃げ道を確保しています。木の下に貼られているシートは外部からの水は防ぎ内部からの湿気は外に逃がしています。ここまではよくある話ですが、平成建設の住宅はさらに遮熱機能もプラスした特別仕様のシート。どうりで暖かいわけです。よくよく眺めているとこの木、なんと桧を使用しています、さすが!さらにしばらく張ってから放置しているなあと思っていましたが、一度仮留めしたあと乾燥させていたのだとか。壁を塗ってから乾燥するとひび割れの原因になります。この工程で2,3mmは動きがあるそうです。かたちには残らない作業ですが、見えなくなるところだからこそしっかり手を掛けていく、平成大工マインドですね。

照明

それではお気に入りの紹介、今回は「照明」です。

以前本ブログでお気に入りの「夜道」を紹介した回で話に出た「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」を体験してからお風呂に入る時照明を点けずにしばらく浸かっていたりします。冷え切った身体が徐々に温まっていき、芯に向かって温度変化をなぞっていく感触を楽しんでいます。お風呂と洗面所の間の建具は半透明なので洗面所の照明はもちろん消してきます。最初は真っ暗なようでいてそれでも若干の明るさは廊下から染み込んでいて徐々に浴室の壁や天井の境目が目に慣れて浮かびあがります。浴室には壁に付いているブラケット照明以外にも光源がもうひとつあることはご存知でしょうか。

浴室リモコンです。浴槽にお湯をはったりぬるくなった時に追い焚きをするための操作ボタンが付いた巾20cm高さ10cm程度の四角く薄っぺらな箱。給湯器が運転中の時にはお湯の設定温度の表示や時刻が黒地の液晶パネルに白い文字で表示されているため、その光が案外浴室を明るく照らしだします。当初は真っ暗な部屋を求めていたのでスイッチはオフにしていましたがある時いつもリモコンを背にして浴槽に浸かるところをぐるっと逆向き、正面に向き合うこととしました。するとわずかな灯りが夜の湖面に浮かぶ月光、もしくは砕かれた流れ星(中央線~♪矢野顕子バージョン)に見紛うことになるのです。さらに水面の揺れを起こさないようじっとしていると、おそらく光源はLEDなので拡散度合いが少なく直線的な光なため浴槽の底にクリアな影が落ち、普段均一に照らされた明るさの中では読み取れないソリッドな透明感を感じさせます。塊としての水の存在ともうひとつの秩序である身体との重なり、二つの秩序が重なりあうことで生じるコーリン・ロウが虚の透明性と呼んだ現象。

 

真夜中の金沢市街の中心に定位した21世紀美術館にも同質の身体性の喚起が仕組まれていました。

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円形の平面に沿ったガラス曲面が特徴的なこの建物は、閉館後も公園にあるオブジェさながらに至近距離まで近づくことができます。そこにはフラットな天井面が艶のある塗装を施されていることで天井下の世界が、水槽をのぞき込む自身の鏡像のごとく垂直方向に映り込みます。

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別のシーン、天井まで伸びるガラスの壁面が向かい合う通路では光は垂直方向だけでなく水平方向にも無限に延長されていくことになります。ここにある世界の実体は揺らぎ、あぶり出されるもう一つのありえたかもしれない世界への手探り。