大田区の新築マンション竣工紹介。前回の続きです。
建物中央に廊下・階段を配置した中廊下型のプラン。廊下から道路側の北向き1K住戸と、南側の1LDK住戸へアクセスしていきます。1階の廊下はエントランスを兼ねるため、少し仕掛けを考えました。
外部から御影調の乱張り床タイルを連続。エントランスドアを入って正面に位置する階段をRC打ち放しのストリップ階段にしています。一番利用頻度が高く、エレベーターを待つ間に眺めることにもなるため力を入れています。通なポイントとしては、段鼻部分に化粧目地を入れて目地底を着色。先端も目地で角を面取りして仕上げています。
一般階はストリップ階段ではないですが、スチールフラットバーの手摺が1階から連続していきます。手摺の中桟には鉄筋を使用。鉄筋が交差することで隙間を小さくしています。手摺の色・玄関扉の色を偶数階と奇数階で変化させるという遊び心も。
北向きの1K住戸の一室。間口2.4mの大きな引違い窓を設けることで北側とは思えない明るさです。天井にはお施主様御用達の「いぐさクロス」を使用。消臭・調湿効果があります。建物全体の内装色は、白基調系・ダークブラウン系、木目ナチュラル系の3パターンをタイプ毎に使い分けています。入居希望者様が内見した際に好み・印象を色味で判断できるようにしたいというオーナー様の配慮に呼応しています。
ダークブラウン系の1LDKの一室。フルハイトドアのパントリーが嬉しい間取りです。床や窓枠の色も濃く変えています。人工大理石天板のフルフラットセミオープンカウンターキッチンをセミオーダーで設置しています。各室の洗面化粧台もセミオーダーで製作し、キッチンとイメージを合わせています。洗濯水栓は湯水対応。汚れが落ちやすいようにと配慮されています。
別タイプの1LDK。プランはほぼ同じですが、色味の違いだけで異なる印象を受けます。
お引渡しの前には、現場関係者+αのメンバーで慰労会を開催してくださいました。「建設会社に招待されることはあったが、ごちそうするのは初めて(笑)」とオーナーのS様。川崎市にある有名焼肉店にて。本当に美味しかった・・・S様、ご馳走様でした!
S様にお話しいただいた、「土地は出会いだが、建物は情熱だ!」という言葉が非常に心に残っています。今回のマンションの名称、「Passione」(イタリア語で情熱)に全てが集約されているなと。
住宅では時々施工しますが、マンションでは初めて。外構の土間のコンクリートに子供たちの手型・足型をつけていただきました。お客様が身近に感じる建物を設計できたことを、設計者として嬉しく思います。S様、本当にありがとうございました。