前回、消費増税は見送りでは?と意見を記載していましたが、その通りになりそうですね。2年半後の消費増税の際、軽減税率は採用されるのでしょうか…軽減税率、果たして会計間違えられないか?と心配です。貧富差拡大防止を狙うのであれば、本来は所得税なり法人税なりを増税するべきなんじゃなかろうかと思うんですが、そんなに単純じゃないのか・・はたまた、国を動かす方々が私腹を肥やせなくなるからなのか・・・設計の四宮です。
前回の続きです。
上図のような宅地分譲地があったとすると、どこがお得でしょうか?用途地域は第一種低層住居専用地域、準防火地域、土地建物で負担できる総額は4000万円と仮定条件を設けます。
世間一般的に人気な土地の順位は、F、D、E、C、A、Bといった感じだと思われます。南向きに道路があれば1階でも明るいリビングが設けられるでしょうし、角地の方がより一層明るいよなぁ。。と夢が膨らみます。
もちろん、販売側も人気を読んでいますから、価格も人気に合わせて高く設定されています。土地の値段と手元の予算を思い返し、現実に引き戻されるわけです。
ではまず、南向きの土地と北向きの土地。金額の差に応じた価値の違いがあるのかどうかを検討してみましょう。
○南向きのメリット
・南側に主となる部屋を設けた時に冬でも明るい。
・建物を北側に配置して、アプローチの外構にまとまったスペースを確保できるため理想の外構を実現できるかも。
南向き施工例。建物に合わせた和の外構アプローチ。(外構一部施工前。撮影時期:1月)
○南向きのデメリット
・道路の人通りが多い場合、視線が気になってカーテン閉めっぱなしになってしまうかも。(おしゃれな家は見られますので。)視線を遮る塀やフェンスにお金が掛かる?場合によっては、駐車スペースで塀が作れないことも…
・南側を部屋で目いっぱい使いたいのに、玄関を南側に設ける必要がある場合があります。
・住居系の用途地域だと北側斜線制限を受けてしまうため、北側いっぱいには建物を建てられない場合も。北側斜線と道路斜線の制限を両方ともクリアする必要があります。
○北向きのメリット
・南側に主となる部屋を設けた時に視線は気になりにくく、プライバシーを確保した庭を作りやすい。南側隣地の家は北側に水廻りを設けていると想定すれば大開口を設けている可能性は低いでしょう。
・玄関を北側や東西面に配置して、南側を有効利用しやすい。
・道路斜線をクリアできれば、建物を北側に寄せて配置しやすい。北側に建物を寄せられれば、南は庭で空地を確保しつつも北側は道路で開けているため、北側からも柔らかな採光が期待できる。
・一面壁で表現するような外観が好みであれば、北接道の方が作りやすい。
北向きファサードの施工例
○北向きのデメリット
・南側の部屋が暗くなってしまう場合がある。例えば、土地が東西に長く、南北に短かった場合に北側道路が狭かったとすると、道路斜線制限によって、南側ピタピタまで建物を寄せなければならないかもしれません。
・南を有効利用しようと、北側に玄関を持っていくと、アプローチの長さが短くなり、外構の演出をしにくい場合も。逆に手っ取り早く出入りしたい人には良いのですが。
・防犯面において、南側に大きく設けた開口部を侵入経路とされてしまった場合、周囲の人に気付かれにくい可能性がある。
他にも、考え出すとケースバイケースで色々な良し悪しがありますが、このくらいにさせていただいて。南向きの土地ばっかり探していたそこの読者様!いかがでしょうか?北向きの土地でも意外と悪くないんじゃないか?って気がしませんか??
2階リビングで計画して、南北から光が射して風が抜ける勾配天井のLDKとかにしたら、とっても素敵だよなーとか。中庭で明るさを確保するライトコート型の家にしてみたりとか。この記事書きながら妄想しちゃいました。設計の工夫で、一見すると条件が悪そうな土地であっても良い家は作れると思うのです。
中庭型施工例
もちろん、同じ土地はひとつとしてありませんから。場合によっては上記が当てはまらないケースもあります。気になる土地がございましたら、是非購入前に分析・調査をご依頼ください。
ちなみに、角地は建築費を抑えられる傾向があり、建蔽率の緩和を受けられる場合もありますが、2方向から道路斜線の制限を受けます。二つの道路が両方とも狭い場合には注意が必要です。もし私が上記出題の6区画で購入を検討するのであれば、BかCの区画を狙って、少しでも建物にかけられる金額を増やしたいと考えるのではないかと思います。
続く。…かも