クリスマスイブ、現場では、左官職人たちが、壁に漆喰を塗っているところでした。
この道30年以上、親方の高橋さん。
「5年目くらいから、ようやく一人前かな。結構大変で続かない人も多いし、平成建設のように職人を育成していればいいけど、そうじゃないからね。」と。
一言で、「左官」と言ってもその作業は実はとても重労働。重い材料を運び、相当量の材料を現場で仕込み、柱や梁に付かないようにすべてにマスキングをし、天井・壁すべてを手作業で、慎重に漆喰を塗っていきます。「難しいですか?」と遠慮気味に聞くと「やってみればわかるよ。左官の中では相当な技術がいると言われているよ」と高橋さん。(ですよね、大変失礼しました。)と心の中でつぶやき、取材を進めます。
大工の道から、左官職人へコウノさん。
漆喰を調合しています。水の加減や混ぜる具合などとても難しそうで、こちらも長年の経験が必要。
親方の高橋さんと確認しながら進めている様子で、弟子たちはこうやって成長していくんですね。
出来上がった漆喰です。これをどんどん壁に塗っていくのですが、高い天井、壁、細かい階段裏・・・「1日かかりますか?」と聞くと「今週いっぱいかかるね。」(ですよね、大変失礼しました)とまた心の中で恐縮・・・。家中の壁に下地を塗って、さらにその上に漆喰を塗っていくのですから、それは本当に大変なことだと、現場をみて痛感しました。
居酒屋店員からこの道へ、大塚さん。
一年目の大塚さんは、ていねいにマスキングテープを柱や梁に貼っていました。真壁の室内は、いたるところにマスキングが必要で、なかなか地道な作業です。
こちらは玄関入ってすぐのガラスブロックの壁。よく見ると、数種類のガラスブロックを組み合わせていて、とてもかわいらしい様子です。
親方は、どんどん漆喰を塗っていきます。道具を巧みに使いこなす手さばきは、シュッ、シュ。シュッ、スーッシュ。とても美しいものでした。見とれますね。美しく塗られた漆喰。古くはお城や、蔵などに用いられています。撮影しているとき、なんとなく壁が呼吸しているようなそんな空気感を室内で感じることができました。また黒く塗られた木と、天井と、漆喰のコントラストもとても美しく、仕上がりがまた楽しみになりました。
人が増えても現場が無ければね。
親方の高橋さんが言った一言はとても考えさせられるものでした。大工と同じように、左官職人も、職人不足の一途をたどっています。皆さんのご家族や、ご友人のお住まいで、漆喰の壁をご覧になったことがある人はいらっしゃいますか?漆喰の塗り壁のある住まいも大変珍しいのではないでしょうか。「人を育てても現場が無ければ意味がないし、現場が無ければ経験が積めないから技術も身につかないしね。」
今私たちにできることはなんだろう。
その商品を知り、その良さを知り、使うこと。これが文化や技術を残すことにつながるのではないかなと思います。漆喰の壁のある住まいがたくさん建つことで、左官職人が育ち、またその技術は受け継がれていきます。
こちらの現場は、1月に予約制の完成見学会を開催予定です。こちらのブログで引き続き現場を紹介していきます。お楽しみに。それでは、2016年にお会いしましょう。
セルロースファイバーってなに?
在来工法の家、構造見学会
2016.1.9~1.17(予約制)
断熱性はもちろん吸音性に優れた自然素材の体に優しいセルロースファイバー。ぜひ構造見学会へ。
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地震に強いSE構法の家、構造見学会 in戸塚区
2016.1.5~1.17(予約制)
大空間大開口を得意とするSE構法は、地震に強い木の家です。建ててしまってからではわからない構造部分をぜひ現場でご確認ください。
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